エチュード2006/09/06 18:04

自分が今必要としている技術を鍛えるためのエチュードをなんとなく書いてみた。いつも同じ曲を練習していると飽きてしまうので、たまにこんなのを弾くとおもしろい。

pと他の指の連携、aの強化を考えて書いてみたが、これを弾ける人は、プロとしてのメカニックを備えていると言えるだろう。とりあえず弾いてみたら、今のところ四分音符90くらいが限界だ。頑張るぞー。

楽譜(PDF)
http://www.spiritmusic.net/Works/etude1.pdf

理想の音(MP3)
http://www.spiritmusic.net/Works/etude1.mp3

LECGC(クラシックギターコンサートを楽しむ会)2006/09/19 09:04

9/17、大倉山記念館にタイトルの会を聴きに行った。前半がアマチュア、後半がプロという構成。今回の前半は神奈川新人ギターオーディションにも入賞された中里一雄さん、後半に弾いたのは益田正洋さんだ。

中里さんは私と同じように、年を取ってからまたギターに舞い戻った人。これからもどんどん頑張って欲しい人だ。

益田さんの一曲目「私が羊歯だったらの主題による変奏曲」は10/8、スペインギターコンクール本選課題曲。一番前で食い入るように左手の動きを見てしまった。プロの左手をこれだけ近く(3mくらい)で見れるのは非常に嬉しい。見た結果、いろいろと自分の左手の動きを考え直すことになった。実はここ一ヶ月ほど右手が安定して来たので、やっと左手のことを考える余裕が出て来たところだったのだ。
ちなみにこの曲、そろそろ録音してコンクールの練習部屋にあげたい。しかし、部分部分を弾くのは問題ないのだが、暗譜がまだ極めて不確かなためそれができないでいる。

二曲目は「魔笛の主題による変奏曲」だった。この聞き慣れた曲の中で非常に面白い表現が数カ所あって、とても新鮮に響いた。打ち上げのときにそういった点が面白かったと言ったら、でもやりすぎると古典じゃなくなる、と言っていたが、私はむしろそれを聞きたい。真に古典らしい演奏は19世紀ギターでやればよいと思うし、現代のギターで新解釈で弾き、その結果古典から逸脱しても、それが芸術的であれば問題ないのだと思う。例えばロマン派の解釈によるバッハでも、ときにはいい演奏があるから。

三曲目として、レニャーニ、36のカプリスから11曲が弾かれた。これが正直、一番楽しかった。36のカプリスを全曲見ると、その中には「これはちょっと」というような曲もあるが、全体的には名曲だと思う。益田さんはそこから11曲を抜き出し、それに組曲という新たな命を与えようとしていた。

最後のコスト、ジュラの思い出は、うん、初めて聞くので、演奏よりも曲の姿を聞いていたが、好きな曲ではなかった。何か、すごくよいメロディー、パッセージが出たかと思うと、すぐどうでもよい曲の流れになってしまっていて、散漫な印象を受ける曲だった。ある人が、ピアニストは名曲をそのまま弾くだけで仕事になるが、ギタリストはダメな曲を面白く聴かせる技術がなければならないと言っていた。その言葉から行くと、今回の演奏はこの「二流の」曲を、一流まで持って行けてなかったような気がする。ただ、世界の名だたるギタリストでも、それができていない人がたくさんいるように思うが。

今回の益田さんは、前回トッパンホールで聴いたときに比べて、今ひとつメカニックの切れがないように感じたが、音楽的には今回の方がすごく面白かった。

サイレントノイズ2006/09/27 00:44

「サイレントノイズ」という映画を今日観て来た。最初、タイトルが変なのですぐには気がつかなかったが、これは「White Noise」という2004年1月に公開されたハリウッド映画のことだった。なぜ「ホワイト」を「サイレント」に変えてしまうのか、その感性がわからない。

それはさておき、ホワイトノイズ(この先は原題で呼ぶ)は、世界で初めてEVPを取り扱った映画で、アメリカEVP協会の知人が監修に関わったものだ。ちなみにEVPとは、録音しているときは聞こえないのに、再生すると聞こえる声。ときに、質問に答えたり、亡くなった人の名前を語ってくるので、あの世からの通信と言われている。もっと詳しく知りたい人は、下記を参照して欲しい。

http://www.asahi-net.or.jp/~qr7s-tmym/ITC/EVPS.htm

実は、今年になって初めて書いた、いわゆるスピリチュアル・ルポルタージュはこのEVPを核にしている。現在それを出版するかどうかの判断を某社に預けているのだが、ちょうどその時期にこの映画が日本でも公開されたというのは非常に興味深い。当然のことながら、編集者に「こんな映画があるから、その影響が冷めないうちに本を出しましょう」とプッシュした。

さて、そのホワイトノイズ。これから観る人のために内容は控えるが、基本的にとても好ましい内容だった。一応怖がらせるために、ちょこちょことあり得ない設定をしてはいるものの、ほとんどはそのままドキュメンタリーと言ってしまってもいいような内容だ。つまり、それだけ現実に即した映画なのだ。今はまだお台場でしかやっていないが、来月になれば新宿でもやるし、全国各地でも公開し始める。今までEVPを全く知らなかった人たちが、これを観てどんな反応を示すのかとても興味がある。

ただ、この映画はEVPという、聞きにくい音声を何とか聞き取る過程が必要な現象を扱っているため、本来、英語圏の人にしかその真価がわからない。ちょうど一ヶ月くらい前に、日本でも公開されるのを知らずに、アメリカで売っている元のDVDを買おうかと思っていた。そして今日映画を観たあとでも、字幕に邪魔されないで、頑張って英語で観たいと思ってしまった。

サイレントノイズ@映画生活
「サイレントノイズ」の映画詳細、映画館情報はこちら >>

プロが・・・2006/09/29 20:41

ということで(何が?!)、スペインギターコンクールの曲を録音してアップしてみた。
http://www.asahi-net.or.jp/~qr7s-tmym/temp.html

今回一番心配なのは集中力だ。ちょっとでも気を乱すと、次にどう弾くつもりだったのかを忘れてしまう。特に羊歯の変奏曲の第一変奏は、同じ音形から3通りの終止パターンに分かれるので、集中力がなくなると何回目がどの終止パターンか、全然わからなくなってしまう。

とにかく集中していないと、細かい音がうまく出ない。指は弦にさわって確かにはじいているのだが、音が出ない、つまりちゃんとした楽音にならないのだ。長年やっている人は、こうした音を無意識に出せるようになっているのだろうな、とか思いつつ、ギターというのは本当に難しい楽器だと、改めて思えて来た。

ところで今回のコンクール、なぜかCDデビューしているプロが出ているのだ! 
Oh my god!

まあ、誰が出て来ようと、自分の考える最高の音楽を弾く努力をするだけなのだが。それでもこう思ってしまう。

「打倒、プロ!」