東京国際二次予選結果2010/11/28 01:36

本選に進んだのは

小暮浩史
Nemanja OSTOJIC
Marco Del GRECO
Laszlo SZABO
岡本拓也
山田大輔

小暮はいつにも増してミスが多かったけど、いつもながらミスとは関係なく音楽が進む。つまり、ミスがあまり気にならない。で、結局通った。

Nemanjaは、課題曲を王道と言った表現で弾いた。自由曲も非常にメリハリのある熱演だった。ただ、右手がときどきもつれたり、変なアクセントがついたりするのが、本選の不安要素。

Marcoはフーガのテーマにアーティキュレーションをつけ、構造を明確にしていた。自由曲も非常に美しいピアノを出したり、なかなか素晴らしかった。

Laszloが残ったのはちょっとだけ意外だった。でも思い起こしてみれば、彼の自由曲は結構良かった。ただ、課題曲では声部の弾き分けが今ひとつだったり、フレーズの頭の音が何度か聞こえなかったり、あまり良く弾けていたとは言えない気がする。

岡本は素晴らしかった。課題曲が一番うまかったのは彼だろう。自由曲の「大聖堂」も、二楽章が終わって三楽章に移るときに、あまりの素晴らしさに涙しそうになったのだが、三楽章のテンポがちょっと速すぎたため、その涙は引っ込んでしまった…。

山田大輔の課題曲は非常に正統的なバッハだった。一番難しいところでも、技術的な破綻はない。自由曲では超高音が出てくるところを苦しそうに弾いていて、実際に決まらなかったこともあったが、全体的には安定していた。


という感じで、絶対通るだろう人は確実に通ったし、後の人も通っておかしくない人たちだった。ちなみにおしいと思ったのは次の人たち。


Jisun Yoo(Korea)は基礎技術がしっかりとして、芯のある音を出していた。でも、課題曲は速くなり過ぎたのか、途中から弾くのがやっと、というか、弾き切れていなかった。自由曲もあまりにスポーティで情緒がない感じだった。

山田岳が通らなかったのは意外。自由曲が「永劫の螺旋」だったからだろうか。彼はこの曲をすごく良く表現していて、全出場者の中で一番自由曲をうまく弾いたのは彼だと思う。ただ、ちょっと聞いただけだと、この手の曲は結構誰でもうまく弾けるのではないかと、思われてしまうのかも知れない。

遠藤峻は課題曲を、ちょっと自由に弾き過ぎたのかも知れない。それでも、もしかしたら通るかと思っていたがダメだった。


明日の本選は結構楽しめそうだ。