第53回東京国際ギターコンクール本選の感想2010/12/01 00:27

今年の本選について、感想など書いてみようと思う。ちなみに二次予選に関しては、現代ギターに記事を書く予定。

まず全体に、ルネッサンス・バロックものについて、みな古楽らしくやろうとはしないのだと言うのを感じた。二次予選のときは結構バロックらしい表現の人もいた。しかし本選になってみると、なんだかみな古楽らしくない。でも、そういった演奏は別に望まれていないのかもしれない。演奏するのは現代の楽器だし…。

まあ、それは置いておいて、演奏順に感想を書いてみよう。

Nemanja Ostojic
ちょっと左手の押さえが甘いところが多かったが、かなり技術的にはしっかりした人。全体にそつのない表現で、手堅く弾いた感じ。でも、ゆっくりした部分、特にホセの第三楽章なんかは退屈で仕方がなかった。バッハのヴァイオリンソナタ一番のフーガも今ひとつ。あまりバロックらしくない。とはいえ、この人が一位でもいい位の水準ではあった。

小暮浩史
今までに聞いた彼の演奏の中では一番良かったかも。ただ、課題曲は色彩感に乏しかった。左手の移動時の雑音が全体に気になる。最後のスペインものではちょっと力尽きた感じで、いつもの天真爛漫さが見られなかった。というように、いろいろと文句のつけようはある。さらに、一番不満だったのは、似たような感じの曲(彼の表現に合った曲ばかり選んでいた気がする)を、似たような表現で続けられると、ちょっと途中から飽きが来てしまった感がある。まったく違う感じの曲も選んで、そういった曲も弾きこなせるというのを見せないと、上位入賞は難しいのかもしれないと思った。この時点で彼はわずかながらNemanjaより下に来ると思った。

Laszlo Szabo
この人のヴァイオリンソナタ三番のフーガは、通常この曲から期待できる速度よりもかなり遅めだった。最初はそういった速度も面白いと思って聞いていたが、だんだんと苦痛に。そういった速度にして、各声部をくっきりと出そうと言うわけでもない。むしろ、主題の出だしがよく聞こえないことが多い。この速度にすることによって感情豊かにしようというのでもない。ただ淡々と、ゆっくり時が流れる…。
私はこういうのはダメ! 後ほどロビーで何人かと話した際に、やはりダメだと言う人と、こういうのもよいという人がいたが、私はダメだ。その後の《序奏とカプリス》にしても、かなり控えめな表現で淡々と流れていく。言ってみれば、きれいなだけで退屈な演奏。私的には最下位をつけたい人だった。

Marco Del Greco
ヘンツェの《三つの小品》は、今ひとつ力及ばずと言う感じではあるが、かなり頑張っていた。次のBWV997の《サラバンド》は、「ああ、全然バロックらしく弾く気はないんだな」と、ちょっとがっかり。ただ、繰り返しでちょっと装飾を増やしたりして、バロックの曲であることは忘れていないようだったが。ただ、バッハをバッハらしく弾かなくても良い、と割り切ってしまえば、それなりに美的な演奏だったとは思う。ちょっとセゴビア系?
課題曲はよかった。私は彼の色彩感を評価したい。Nemanjaもそれなりに色彩感があったが、彼の場合にはダイナミクスが今ひとつだったように思う。メルツの《エレジー》は、あまり良くないけど、悪くはない。そして最後はリョベートの難曲。《ソルの主題による変奏曲》。いやー、見事に決めていましたね。とはいえ、各変奏の間で間を取りすぎ。何か、「今、ウルトラCを決めたので、ちょっと休ませてください」とばかりに、各変奏の間が長い。変奏曲としての全体の表現としては明らかに失敗だろう。とはいえ、これだけ見事に決めると、それなりの点数は稼いだと思う。この時点で、彼は総合的に考えるとNemanjaより上に来ると思った。

山田大輔
ジュリアーニの出だしは非常に良かった。これぞ古典と言う感じ。ただ、この曲に限らず、全体的にちょっとテクニックが不安定。ルーセルの《セゴビア》も、いまひとつ弾ききれていない。また、バッハの《シャコンヌ》を選んだと言うのもつらかったかも。このような超有名曲の場合、審査員それぞれに思い入れも深く、よほどの演奏をしないと良い評価は得られないだろう。まして、あのスラーとスケールが続くところでは、絶対にミスしては行けないと思う。彼の評価は残念ながら低くせざるを得なかった。

岡本拓也
若干小ぢんまりとし過ぎている感はあるものの、とても端正に整っていて、文句のつけにくい演奏。最後の《ハンガリー幻想曲》が来るまでは、彼が一位になる可能性が大きいと思っていた。でも、この曲の最後の部分に関しては、まだ彼には表現できないようだ。しかもそこらへんで大きなミスも出てしまった。以前よりも大胆な音が増えてきてはいる。しかしこの辺のお祭り騒ぎ的な楽想には、小暮のような演奏が似合う。この時点で彼がMarcoを越して一位に成れるのか、計算してみないとよくわからない状態になった。

そして独自採点を集計してみるとこのような結果に。今回はそれぞれの曲を100点満点で考えて、その平均を取っている。

Marco Del Greco 70.6
岡本拓也 69.75
Nemanja Ostojic 69.2
小暮浩史 68.43
山田大輔 66.75
Laszlo Szabo 64.75

そして実際の結果は
Marco Del Greco   256
岡本拓也 241
Laszlo Szabo 229.5
Nemanja Ostojic 228.5
小暮浩史 222
山田大輔 207.5

ん? 何かが違う。Laszloだけがやけに上に来ている。あのバッハは思ったほど評価が低くなかったようだ…。

とまあ、こんな感じの本選だった。

ヘミシンクCDを使ってみよう2010/12/04 10:21

今日は、他の人にもヘミシンクCD、特にHuman Plusシリーズを活用してもらいたくてこれを書いている。ヘミシンクとは簡単に言うと、脳波を誘導する技術。そのHuman Plusシリーズは、聞き分けの良い状態に脳波を持って行き、そこで「このキーワードを心で唱えると、君はどんどんこうなっていく」という暗示がかけられる。それを何度か聞いて覚えたら、実際にそのキーワードを使って、今までは考えられなかったような効果を得よう、と、そんなシリーズだ。

ヘミシンクCDには英語のガイダンスが入っていて、それが理解出来ないと使うのは難しい。でも特に有名なCDについては、最近日本語ガイダンス版も出て来ている。例えば、痛みを意識的にコントロールするための「Pain Management」は、すでに5カ国語に訳されていた。また、本場アメリカでも、日本でも、ヘミシンクCDを売る店は非常に増えて来た。とは言え、開発元のサイト(http://www.hemi-sync.com/)が、一番品揃えが豊富。しかも別にそう高くもない。CD一枚が16ドル程度。私が盛んに購入していた10年くらい前に比べると半額以下に下がっている。



さて、ここからは自分の体験談。

Synchronizing
これは心と身体をシンクロさせ、うまく身体を活用しようというもの。キーワードを言うと、今までにないほどスムーズに、そして速く身体を動かすことが出来る、キーワードを唱えるごとにその効果は増して行く、などの暗示がかけられる。これを使ってしばらくしたある日、「えっ、自分の指ってこんなに動いたっけ?」とビックリした。自分の人生を変えた一枚と言える。

Circulation
血流をよくしようとするためのもの。最近は、ちょっと体調が悪くなるとずっと痛んでいた、首の後ろから頭にかけての血流を良くするのに使っている。とりあえず痛みはなくなった。その他にも、練習し過ぎからか、痛みが出て来た右腕の血流を良くするために何度かキーワードを唱えたことがある。そうしたら、ある日右腕の中を何かが突き抜けたような感覚があって、数秒感腕全体がしびれた。その後、腕の張りは無くなり快調になった経験がある。

Restorative Sleep
寝ている間に自己治癒力が高まり、とても快調に目覚めるという暗示をかけるもの。これはときどき非常に効いた、と思うときがある。キーワードを唱えはしても、どういうときに非常にうまく効いて、どういうときだとダメなのか、それは今のところ分からない。

Immunizing
免疫機能をコントロールしようと言うもの。鼻炎の更なる改善を目指して使っているが、まだよく効果はわからない。何せ、治癒する速度以上に、酒を飲んで悪化させているときがあるから…

Mebius West
現実を自分の思い通りにコントロールしようと言う、ちょっと怪しいもの。でもなんとなく効果が出ているような…


ここら辺が、私が良く使っているHuman Plusシリーズ。実は他にも常用しているMind Foodのシリーズがある。


Catnapper
30分の仮眠のためのもの。脳波を誘導してリラックス状態に持って行き、30分後には起こしてくれる。そしてその間、この休息によってあなたの身体は調子を取り戻し、とても爽快に目覚めるなどの暗示がかけられる。このCDは本当にしょっちゅう使っている。

Morning Exercise
最近購入して使い始めたCD。簡単に言うと「今日」を最大限にうまく過ごすための暗示をかける、19分だけの短いCD。一週間ほど使ってみたが、とても充実した日を送ることが出来る気がする。ガイダンスは本当にポジティブな言葉ばかりで、それを聞いているとやる気が出るし、大事な事柄をうまく出来る気がしてくる。


最近このMorning Exerciseと一緒に、Human Plusシリーズも3枚購入した。

Brain: Support & Maintenance
脳の血流を良くすることによって、脳の力を最大限に発揮しようと言うもの。今日初めて聞いたばかりなので効果はまだ分からない。

Do This Now
やらなければならないことを先延ばしにせず、今やる習慣をつけるためのもの。まだ聞いていないが、「明日やれることは明日にして、今日は少しでも休もう」と考えがちな自分を直せればと思っている。

Access to Information
自分が持っているはずの知識、情報に確実にアクセスするためのもの。3枚買うと1枚ただ、というセールをやっていたので、暗譜力の向上などを目指して買ってみた。


その他にもヘミシンクCDはたくさんある。英語という壁はあるが、みなさんも是非活用して、より良い人生を送って欲しいと思う。

脳の血流があがると2010/12/08 06:11

早く目覚める?
Brain: Support & Maintenance を聞いていたら、昨日、今日と、やたら早い時間にすっきりと目覚めるようになってしまった。もしかして、人間というのは脳が十分に休めると、それでもう目覚めるものなのだろうか。でも、身体に昨日の酔いは残っているので、結局二度寝したり、この機会にとばかりに他のヘミシンクCDを聞いてみたりしている。
とにかく、このCDを聞いたことによって、何かは変わっているようだ…

どれに行くべきか2010/12/19 19:41

12/25、最初は川井善晴君のコンサートを聞きに行ってみようと思っていた。ところが、小暮君や岡本君が出るコンサートが千葉であるというのを知り、どちらにしようかと悩んでいた。そこへ今度は、フリーバーズのコンサートで私のオカリナとギターの曲をやるとの情報が。
これはやはり、自分の曲をやってくれる人たちを聞きに行かなければ!

そんなことを考えていたら、私のフルートとギターの曲がプログラムに入ったチラシが届いた。1/22。2人とも知らない人たち。せっかくなのでこの機会に知り合いになろうと思い、聞きに行こうと思ったが、ああ、その日は中島さんの娘さんのコンサートだ。と、待てよ、そういえばマルコ・メローニのマスタークラスがその日になるかも。この人のレッスンを受けないわけにはいかない。

うう、なぜこんなに重なる…

明日(もう今日)、明後日は2010/12/21 01:28

今井さんの還暦記念コンサート。さあ、飲むぞ………ではなくて、聴いて、その後で飲むぞ、ですね。それにしても、高田さんと紀雄さんのデュオを聞きたかったな。またそのうち聞けるよね?