作品12(ヴァイオリン・ピアノ・ダラブッカ)2011/08/09 23:31

この「歌と踊り第二番」は、軽めの曲が好きな人からシリアスな現代っぽいのが好きな人まで、割と幅広く楽しんでもらえるのではないかと思ってます。一曲目は矢野顕子のある弾き語りに受けた衝撃が元になっています。でもその曲が後にCDに入ったとき、そのアレンジを聞いてちょっとがっかりしました。シンプルな元の弾き語りの方が良かったです。

それはさておき、この曲は自分でも気に入っていて、いつかギターの3重奏とか4重奏とか、もしくはギター入りの何かの編成にアレンジしたいなと思いつつ、もはや作曲してから15年ほど経過してしまいました。このオリジナル編成では再演の機会がほとんどないから、何か考えたいですね。
http://www.spiritmusic.net/secret/4873h846s.htm

来年デビューコンサートをします2011/08/17 08:06

考えてみれば自分はデビューコンサートをしていないのです。

それらしいものというと、東京に出てくる前にやった山形市市民会館でのコンサートがそうかも。そのときはバッハの《シャコンヌ》、コシュキン《王子のおもちゃ》を抜粋で、ポンセ《南の協奏曲》、ヴィラ=ロボス《ギター協奏曲》などやりました。自分の曲は、後に没にしたいくつかの曲があったけれど、どれも難しくて手がでなく、このときは一曲もやっていません。

その後わりとすぐ右手がおかしくなり始め、4年後には完全にギターを止めました。

数年後、すべて他人に頼む形で何度か作品発表を。でもそういうのをすればするほど、やはり自分で弾きたくなるんですね。それで一時期は、壊した人差し指を使わないで弾いていたりしましたが、それはそれでまた欲求不満が溜まります。

10年前、再びギターの練習を始めてからは、3歩進んでは2歩下がり、ときどき50歩下がり、ときには1000歩下がったりしたこともありましたが、それでも長い目で見れば進歩して来ました。ここ2年は20歩進んで1歩下がるくらい順調な回復具合です。一方作曲の方は、やっと自分の曲は無駄に難しいことに気づきました。今までは、自分は弾けないけどプロはこれくらい簡単に弾けるのだろう、と思いながら作ってきたのです。それを人前で弾けるように少しずつ書き直して来ましたが、その作業も一段落つきました。

ということで、来年3月23日(金)に、三鷹市芸術文化センター星のホールにて、自分の曲を主体としたデビューコンサートをすることにしました。他人の曲は二曲だけで、後は全て自作でやります。また豪華ゲストを呼んで、自作を弾いてもらったりもします。なので皆様、その日の夜は予定を空けておいていただけると幸いです。チラシ、チケットなど準備ができたらまた書きます。

GLC第36回学生ギターコンクール雑感2011/08/23 10:34

今年は本選の審査を初めてやったので、その感想など書いてみます。ただ、誰が何の自由曲を弾いたかと言うデータがないので(審査結果の紙はもう手元にないので)、正直あまり思い出せないところがあります…

順位はこちらをご覧ください。
http://www.glc-guitar.com/competition/performers/2011.html

小学生低学年でとても印象に残ったのは、ヘンツェの《ノクターン》を弾いた子でした。音楽としてはかなりの仕上がり。おもわず一位を上げたくなったほどでしたが、やはり他の子と比べると極端に易しい曲を弾いているので、それはできませんでした。ただ、他の子はこういった易しい曲をちゃんと音楽的に弾けるのか、そういった練習をちゃんとしているのか、と、そんなことを思いました。赤井香琳が弾いたイルマルの《シンプリシタス》は、それなりに良くできていて私も一位を付けました。しかし他の、難しい曲に挑んで表現出来ないでいた子たちよりは、私はこの《ノクターン》を弾いた子を上に見て、彼女に二位につけました。

高学年の中田真翠は圧巻でした。文句なく一位です。でもちょっと残念だったのは、《森に夢見る》の一番の見せ所とも言えるスケールのところでミスっていたこと。こういうところでミスると、ここ一番というときに弱いのかな、とか(私は)思ってしまいます。もう一人印象に残っているのが、バッハの無伴奏チェロ組曲第5番《プレリュード》を弾いた子。技術的には見事なものがありましたが、バッハの音楽という観点から見ると、正直かなりぼろぼろでした。小学校高学年でこのような曲に挑む場合には、教える側の音楽的な手助けがかなり必要なのではないでしょうか。せっかくあれだけ指が動くのだから、音楽的にもそれに見合うものを身に付けて行って欲しいものです。

中学生で私が非常に感動したのは、二位になった山本大河です。彼が弾いたドメニコーニの《トッカータ・イン・ブルー》は、今まで聴いた日本人の演奏の中では一番気に入りました。もっと他の曲も聴いてみたいと思ったし、私は彼を一位につけました。もちろん一位になった金田栞奈も見事な演奏でした。もう少しだけ喜び、悲しみの表現が深ければ、私も一位を付けたでしょう。今年はこの中学生部門が、一番レベルが高かったと思います。

高校生では井本響太を高く評価する人が多く、彼が一位になりました。ちなみに私がつけたのは三位。私が彼の演奏に関して非常に気になったのは、出す音質をあまり気にしていないことです。まるで鉄弦のアコギでも弾いているような感じで、クラシックギターという楽器を手に取って弾いている意味をあまり感じない演奏でした。二位になった木村眞一朗は文句のつけにくい演奏で、私も二位をつけています。そして私が一位を付けたのは菅沼聖隆でした。

大学生で一位になった飯野なみは、私も一位をつけています。というか、大学生の順位は、私がつけたのとすべて同じでした。四位の西村拓也、五位の美山華鈴は、音楽性で言えば二位の富岡淳、三位の伊藤亘希よりも成熟したものを持っているように感じます。ただメカニズムの安定度は、二位、三位の彼らの方が圧倒的に上でした。