クエンカ兄弟2014/04/07 19:36

昨日はギターとピアノ専門のデュオ、クエンカ兄弟のコンサートと公開レッスンを見学してきました。

この兄弟のピアノは、ギター伴奏として本当に素晴らしい。その秘密がいろいろと明かされたのが、アランフェス二楽章の公開レッスン。実はこれ、ピアノ伴奏がかなり主体のレッスンになり、非常に興味深いものでした。市販のピアノ伴奏譜をそのままやらずに、より原曲に近く響かせることができるようにさらに音を足したり、抜いたり(!)。

特にこの、音を省いて弾きやすくすることによって、より原曲が求める音楽に忠実にするというアイデアは、最近ずっと考えてきていることです。公開レッスンの前にも、受講者とそういう話をしていました。本当に良い編曲は、TranscriptionでもArrangeでもなく、Re-composeだとここ数年思っています。

この企画は午後からだったのですが、午前中はギター感謝デーでめったに聞くことが出来ない人たちの演奏を聞き、夜は打ち上げ、終わってからさらに渋谷で二人飲みということで、かなり濃厚な日でした…

フィンガーピッキング・デイ20142014/04/13 23:54

FBとMixiに書いて、こちらにはまだ書いていませんでした。。。

昨日横浜赤レンガ倉庫にて、フィンガーピッキング・デイ2014がありましたが、そのコンテストでTABギタースクール賞というのをいただきました。

このコンテストを知らない人に説明です。
これは、自分でアレンジ、作曲をして、それをさらに自分で弾く人だけが出られるコンテストです。通常は鉄弦を使った、ポピュラーの人だけが出てきます。賞は最優秀賞、優秀賞、楽曲賞、オリジナル・アレンジ賞、オーディエンス賞、TABギタースクール賞、アコースティック・ギター・マガジン賞、アコースティック・ギター・ブック賞とあり、最大8名に与えられますが、楽曲賞、オリジナル・アレンジ賞、オーディエンス賞はたいてい、最優秀か優秀の人が持っていきます。

このコンテストの全国大会には何度か出ていますが、今回はある意味、初めてのステージでした。

2001年末にギターの練習を再開し、2003年になって度胸試しにクラシカルギターコンクールやスペインギターコンクールを受けてみました。そこでそれなりの手応えを感じ、それならということで、昔失敗したフォームの改造に取り組み始めたのが2004年初頭です。それまではとりあえず昔のフォームで弾き、それなりに弾けるようになっていたのですが、そのフォームでは弾けない曲がたくさんあるのを昔から知っていました。昔はそのフォーム改造からだんだんとおかしくなり、結局ギターを止めるはめになったのですが、2004年はそれをやり遂げる自信がありました。

そして2005年末、新しいフォームを用いてそろそろライブ活動も始めようかと思った頃から、また指が本格的におかしくなり始めました。最初はmを弾くと、その後1秒くらい経たないとiが弾けなくなり、数カ月後には和音を弾くとすべて弦を垂直に引っ張るようになってしまい、何の曲も弾けない状態に追い込まれました。

そういった中でもだましだまし、クラシックのコンクールやこのコンテストに出てきました。それでも本選に残ったりはしてきましたが、いつでも指の不安で一杯で、まともに弾けた試しはありません。

今回はそういった呪縛から開放されて、初めて思うように弾けたコンテストでした。弾いたのは5/24(http://www.confetti-web.com/detail.aspx?tid=120595)に井上仁一郎くんが初演する予定の曲の第3,4楽章。福島に関することを訴える曲です。正直、これを多数の方に自分の納得の行く形で聞いてもらえた、それだけでも、最高の気分です。演奏終了後、あるご婦人から「握手してください」と言われ、すごく感動した旨を伝えられました。別のご婦人からは「今日は息子の応援で来たけど、オーディエンス賞はあなたに入れました」と言われました。海外からのゲスト審査員には、自分は最高点を付けたし、最優秀でも良かったと思うと言われました。そして、TABギタースクール賞をもらい。。。

昨日は、ギターを再び弾き始めてから最良の日でした!

最近のギター関連で書いていなかったこと2014/04/24 22:56

«Guitar»の名でホマドリーム社から出ていた二重奏曲を、カナダのLes Productions d’OZから新たに«Footsteps in distant memories»の名前で出版しました。そのままの再版ではなく、スラーと表情記号、運指をかなり増やしています。音はおそらく変えていないはず(?若干自信なし)。ちなみにまだLes Productions d’OZのサイトには載っておらず、替りに、こんなところが売り出していました。
http://www.archambault.ca/tomiyama-siyoh-footsteps-in-distant-memories-%282-guitares%29-ACH003467331-en-pr


クアトロ・パロスのための新曲を書き上げました! クアトロ・パロスとは多治川純一・前田司・萩野谷英成・斉藤泰士の4人からなるギター・カルテット。
http://music.geocities.jp/quattropalos/

とてもファンキーでポップ、そして少しふざけた曲になったので、実演が楽しみです。せっかくなのでほんのちょっとだけ…
http://www.spiritmusic.net/secret/Sample140424.mp3


先日の土日は長崎に行き、朴葵姫さんのコンサートを鑑賞。ゲストの谷川英勢くんとの二重奏を合わせると二時間以上のコンサート。それを飽きさせなかったのは素晴らしい推進力です。時代を追ってのプログラムだったため、最後は一般的には若干聞きにくい曲であるヒナステラの«ソナタ»。でもこの演奏ならきっとみなさん惹き込まれたのでは。めちゃくちゃ元気がよく、表情もある演奏でした。

二重奏がまた、これが非常に面白かった。まるで二人の会話を聞いているよう。二重奏には、二人でひとつのものを作り上げるタイプと、二人の違いを楽しむタイプと二種類ありますが、今回はどちらかというと後者のタイプ。二人の対比と、ときに絡み合う様はとても聞いていて心地よかったです。


最後に、来月24日にフルートとギターの作品展をします。まだほとんどチケットが売れていないので、とても閑散としたコンサートにならないか心配です。みなさん、来てください!(http://www.confetti-web.com/detail.aspx?tid=120595
これから本番まで、少しずつ当日の曲を紹介していきましょう。まずは«想い»の主題を聞いてください。
http://www.spiritmusic.net/secret/Omoi.mp3
我ながら、自らの汚い心が洗い流されるようなメロディーだと思っていますが、いかがでしょう(笑)