とりあえず二点2014/06/02 23:07

先日5/24に行ったコンサートから、とりあえず二点紹介です。

哀歌(亡き友へ)
友人である飯島寿博くんが若くして亡くなった際、遺品の中にあった楽譜を元に、彼を偲んで作りました。一見、かなり古典的な音使いのようですが、時々挟まる独特の不協和音がひとつの新しい世界を作っています。現在では私もこの手の不協和音を使いますが、当時の私には無かった感覚と言えます。


想い
主題と6つの変奏なのですが、残念ながら最初の3変奏までの公開です。今回は公開基準が厳しく、結構公開できない曲ができてしまいました。公開する予定なのは、全プログラムの半分くらいです。


楽譜はどちらも音符biz(http://ompu.biz/)から販売されています。

残りのコンサート動画2014/06/08 11:19

先日のコンサートから、フルートソロと、フルート・ギターのアンサンブルを紹介します。

麗観(Re-Mi) は、一時期平安時代にとても興味があり、京都を古地図を見ながら歩いたりしていた頃の作品です。源博雅のことを勝手に想像しながら、当時は羅生門から御所まで笛の音が届いたんだよな〜、とか思い、書いたものです。



コンサートの最後を飾った「七つの夢」は、完全にポピュラー音楽です。今まで何人かに演奏して頂いていますが、もっともっと流行ってほしいものです。ここでは下記4曲を紹介です。
I 風に吹かれて
IV 甘美な想い出
V 下町の紳士
VII 悩みのない奴

ポピュラー2014/06/13 22:06

柴田ヒロキさん。
先日木曜日は、この人のワンマンライブを聞きに行きました。

元々、友人の女性ボーカリストが六本木でライブをやるのを聞きに行った際、対バンが何組かいたのですが、この人を非常に気に入ったのです。その彼が次は恵比寿のYaYaでやるというので、いつもの帰り道にあるその店に行ってきました。

正直とても満足です。彼も、彼を聞くきっかけとなった女性ボーカリストのみななさんも、とても聞いていて気持ち良い声をしています。私は昔、ギターの音色について今ひとつ無頓着でした。いくら音色が良くても、音楽自体ができていなければダメという感じです。でも最近、本当に聞くだけでうっとりするような音色を出すギタリストが出てきて、しかもその音楽も良いとなると、だんだんと音色の虜になってきました。

彼らの声が心地よいのに加えて、曲も結構好きです。これから、二人とも応援していきたいですね。特に柴田ヒロキさんの、開放弦を徹底的に活かした、コード記号では表現できないようなコード進行がまた好きです。「鉄腕アトム」をとんでもないコード進行でカバーしてましたが、こういうのはめっちゃ好き! 私も昔、「アニー・ローリー」にとんでもない、聞いているとよろけて来そうなコード進行をつけた記憶があります。その楽譜はパソコンクラッシュで無くなってしまいましたが…

私はクラシック音楽、特にピアノ曲がしょっちゅう流れる家に育ち、小中はフォークと歌謡曲、60, 70年代の洋楽を聞いていました。クラシックギターの魅力にはまったのは中学3年生のとき。クラシック音楽全般を聞き出したのは、大学に入って作曲を習い始めてからですね。

その後、20台半ばで病気のためギターを断念し、かなりしばらくしてからロックのベースをしばし弾いて、それから13年ほどクラシックギターの世界にどっぷり浸かり、そして今、またポピュラーが好きになって来ました!

写真は、こういった人たちを売り出す専門の人であるSさんが、「ここはこう表現したほうが良いのでは」とかいろいろ指導するのに、真剣に聞き入る柴田くんです。

恵比寿 カリス サンデーサロンコンサート2014/06/15 22:25

近所の恵比寿にカリスというギター屋さんがあって、そこで月一のサンデーサロンコンサートというのがあります。アマチュアが10人ほど弾いた後で、たいていはこれからの有望株のミニコンサートがあるのが普通です。いつだったか、店長が「ミニコンサートに誰がいいだろう」と言っていた時に、私は昨年東京国際にも出ていた松澤結子さんをお勧めしました。で、今回は彼女のミニコンサート付きの、サンデーサロンコンサートでした。

何かの企画に知り合いのギタリストを薦めるのは、まだ二回目だと思います。一回目はホマドリームの雑誌に樋浦靖晃くんを勧めました。そのときは編集を手伝っていたので、インタビュー記事のキャッチフレーズを考えなければならなく、「ギター界で一番話題の少ないギタリスト」みたいな、なんか本人が言っていた言葉を元にしたものを考えた覚えがあります。

そして二回目が今回の松澤結子さん。彼女を初めて聞いたのは、結構前のスペインギターコンクールです。その本選で、「うわっ、ここまで大胆な演奏をする人がいるんだ!」と、とても興味深く思いました。そのときは思いが溢れすぎていて、一番強い音はことごとく潰れていたのをよく覚えています。

それに比べると、今回の演奏は非常に女性らしさが出てきていたように思います。こんな風に書くと「女性蔑視」とか思われがちですが、単純に女性は女性で、自分の利点を活かしてもいいのでは、と私は思っています。とてもよい演奏でも、他の男性たちと全く同じ傾向だとちょっと嬉しくないかな、という気がするのは私だけではないのではないでしょうか。実際、男女にかかわらず、人にはそれぞれ、その人なりの演奏があって欲しいと思います。それでこそ、いろいろな人の演奏を聞きに行く価値があるのです。どこでも聞けるようなタイプの演奏であった場合、それが世界一くらいに磨かれていないと、私は聞く気がしません。

彼女がこれからどういう方向に行くのかわかりませんが、わたし的には、今回の彼女の変化を見守り続けたい気分です。

ちなみに今回、ミニコンサートを聞くついでに私もエントリーし、10分の時間をもらってバッハと自作を弾いてきました。その際、自作を弾いている最中、客席でずっと「カサカサカサカサ」と音をたてている人がいました。プログラムを見なおしているのでしょうか。ただ、それにしても長過ぎます。「いったいいつまで続くんだ。もしかしたら自分の出すカサカサした音が聞こえていない?」とか考えていたら、見事に忘れました! いやー、こんなことでミスるようでは、まだまだ修行が足りないですね。

誰だったか、ピアニストでプログラムをめくる際のこの音が気になる人がいて、布のプログラムを作った人が過去にいました。それはそれで共感できますけど、このような音に惑わされずに弾けるようになりたいものです。ジストニアで一時はダメになった指が、今は問題なく動くのですが、頭のほうが忘れて指示を出せないのでは、弾きようがありません(>_<)。

ジストニアといえば、Sさん、Kさん、キーワードは「ヘミシンク」ですよ!

今回、演奏終了後、一通り飲み終わった後でカリスのショップに戻り、そこで330万円ほどするジャン=ピエール・マゼを、松澤さんに試走してもらおうという流れに。倍音が少ないタイプの清楚な音色なのに、結構甘い音色も出たりして、面白いギターでした。その後は参加者、聴衆として来ていた他の人(渡邊茜さん、多治川純一さんなど)もこのギターを弾いたり、次は小野薫さんのギターを弾きだしたり、今度は松澤さんが使っているマヌエル・カセレスや私が持ってきていた桜井を弾いたりして、それぞれのギターの違いを改めて納得する、なかなか楽しい夜でした。

このような会を毎月催しているカリスさんに感謝です!