昨日のGLC学生ギターコンクールのこと、および、今週金曜に迫った、久々のポピュラー舞台について2014/08/18 19:49

学生ギターコンクールには興味ないという人は、2/3ほど読み飛ばして「***」のマークまでジャンプしてください(笑)。

私はいくつかのクラシックギター関連団体に関わっていますが、このGLCが唯一、かなり前向きに関わっているような気がします。今回は小学生、高校生の予選審査と、本選の集計補助が仕事。肝心の演奏は結構モニタでしか聞けなかったのですが、審査集計の舞台裏を非常によく見た感じがします。あ、ちなみに本選の結果は今朝、GLCのページ(http://www.glc-guitar.com/)を更新しました(今年から更新担当が私になりました!)

二次の審査では、本選に行くのにふさわしいと思う人を各自5人選びます。それを集計して、その得票数が多いほうが本選に進むのですが、しばしば同数で並んでしまい、例外的に6人通すのか、それともあえて5人に絞るのかという決断になります。

今回の小学校高学年では、ちょっと抜きん出ていて素直に決まったのは3人だけで、その下の第4候補として珍しく4人が並んでしまいました。通常は5人本選に行くので、いくら何でも7人通すわけにも行かず、まずこの4人から2人通すとしたら誰か手を上げてください、と言って決を取りました。今考えてみるとこれは無意味な話で、この多数決をとっても採点表と同じで、4人とも同じ票になるに決まっています(>_<)。逆に、こんな決を取ったということ自体が、この結果がとても珍しいことを表していると言えます。

次に、この中からこの1人だけは通したいという多数決をとって、やっと4人目が決定。その後、5人目の決を採ると、また並んでしまう2人が。そんなわけで、今年は6人通そうという話になりました。そしてこれは、惜しくも落ちてしまった7番目の人がいるということも表しています。それだけ今回の小学校高学年は、実力が拮抗していた人たちがいました。

本選でも、久々に難しい審査がありました。本選の審査は、各自が1位から5位までの順位をつけます。その後パソコンのプログラムによって、増沢方式により任意の2人を比べ、勝ち点というのを決めていきます。以下、wikiから転載します。

各審査員の採点表が、次のようであったと仮定する。

     1位 2位 3位 4位
審査員1  A  C  B  D
審査員2  A  C  B  D
審査員3  B  D  C  A
審査員4  B  C  A  D
審査員5  C  A  D  B
審査員6  C  A  B  D
審査員7  D  A  C  B

これから、A、B、Cのうち、2者同士の対戦を抽出する。まず、「A対B」は「Aを上位とする者=5 対 Bを上位とする者=2」となるので、Aが勝ち点1となる。この際、勝敗数差は考慮されない(4対3でも6対1でも、勝ち点は1である)。
同様に「B対C」は、「2対5」となるので、Cが勝ち点1となる。
「A対C」は「3対4」となるので、Cが勝ち点1となる。
よって、勝ち点が2となったCが最上位であると決する。

このように計算した結果、高校生の部で、勝ち点が3で3人が並んでしまいました。wikiにもこのような場合が起こりえると書いてあり、「その際には、勝ち点1位の団体だけでの勝ち点選抜を行う。」とも書いてあります。しかしこれをやっても1位が決まらないのです! その場合、これまたwikiによると「それでもなお、勝ち点1位が複数となった場合には、コンクールによって対応が変わる。」とのことで、GLCではこういった場合、何人が1位を付けたかを考えます。ところがここで、この三つ巴に加わっていない、4位の人が、なんと三つ巴の中で一番多い1位をとっていた人と同じ、5人が1位をつけていたことが発覚しました。

えー、頭がこんがらがってきた人のためにちょっと整理です。
この方式は2人を比べて、順位が上であるのが多い方を「勝ち」と評価します。そのため、1位を結構もらっていても、他の審査員が付けた順位が皆低ければ、そこで他の人達から「負ける」ことになり、総合評価としては上に上がってきません。これが今回高校生の部の4位の人でした。それで、三つ巴の3人を単純に1位をもらった数で順位を付けても、4位の人よりも少ない1位の数をもらっている人が2位と3位なの?という疑問まで出てきてしまったのです。要は、平均的にそれなりに良い評価をもらった人と、とても良い評価と悪い評価をもらった人の、いったいどちらが上かという話です。これは決められませんよね。

とは言え、長年採用してきた採点方式を変えるわけにはいかず、今回はGLCのホームページで示している順位となりました。ちなみにこの4位になった片根柚子さん。曲がコシュキンの«アッシャー・ワルツ»だったこともあってか、いつになく大胆な演奏で、私は好きでした。

GLC賞をもらった原田斗生くんのアグアド«ロンドOp.2-2»も見事でした。細かい表現はやはり歳相応というのはあるのですが、クラシックの伝統音楽をきっかり、きちんと明朗に弾き切るその技量は大したものです。これを一区切りと考え、これからは大人、というか、様々な可能性を踏まえた表現に取り組んでもらえたらと思います。

そういえばGLC賞授与の際、濱田先生が「とおいくんか、面白い名前だね。GLC賞はとおい、ではなくて近かったね」と、珍しくダジャレを言っていたのが印象的でした(^_^)。


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さてさて、今日は22日のライブの最後の合わせでした。本当はそこで撮ったビデオの一部を流出したかったのですが、残念ながらビデオとパソコンを繋ぐケーブルが、某若手ギタリストの家に未だにある? しかもそれをもらっても、今日スタジオに電源コードを忘れてきたので、おそらくパソコンには読み込めないし。。。

ということで残念ながら動画なしの告知ですが、内容はかなりいい感じに仕上がっています。是非22日、夜9時頃、渋谷に遊びに来れそうな人は来てください!

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*8月22日* みなな初企画&レコ発ライブ **夏うた日和**

渋谷Lounge NEO http://loungeneo.iflyer.jp/venue/
OPEN 17:30 START 18:00
Charge Adv. ¥2,000+1drink At door ¥2,500+1drink

※このイベントではドリンクチケットのサービスがあります。
*夏うた日和はのどごし日和!!* ということで特別サービス! ライブハウスのなかにドリンクチケットが10枚かくれんぼしています!!探し出せたらドリンクカウンターへGO!!

18:00-18:25 まつくまゆうき
18:30-18:55 よろっと
19:00-19:25 丘surfers
19:30-19:55 岡本真由佳
20:00-20:25 緒方悠詠
20:30-20:55 岡秀年
21:00-21:30 みなな
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私は最後にみななさんと一緒に出ます。今回彼女の曲だけでなく私の曲もやりますが、これは2011年の震災の後にできた曲です。当時、私は宮城出身でそこに実家もあるので、必要性もあって何かと情報を収集していました。そんな中であるポピュラーソングの歌い手が、「私には瓦礫を持ち上げる腕力もないし、けが人を手当する技量もない。本当に無力だ」と嘆いていたところに、海外の大御所である先生が、「なんでこんなときこそ音楽をやらないんだ。君には歌があるだろう!」と言っていた話を聞き、それがとても印象に残っていました。それから震災関連のクラシック曲を3曲作って人前に出してきましたが、今回のポピュラー曲はその流れの一環です。

震災の後、いろいろあって結局母が4月末に亡くなり、その2,3日後に、朝起きたら出来上がっていた曲があります。それが今回初めて人前に出すポピュラー曲です。ポピュラーのシンガーとか全然知り合いがいなかったので、結局3年以上経って初めてのお披露目となりますが、みなさん、その機会に一緒に会場にいることができたら嬉しいです。そしてできれば、最後に繰り返すこのフレーズを、一緒に歌ってもらえたら最高です!

手を取って
見つめ合って
話し合って
分かち合って
みんなの心をひとつに合わせて
未来を創れば It's all right!


みんなが互いに手を取って、たくさん話し合いをしながら、くだらない争い事なんかはしないで、一緒に未来を創っていけたら、なんて思っています。