リサイタルとコンサート、そして東京国際二次予選2014/12/07 02:49

私の感覚として、リサイタルは「ここまで頑張りましたんで聞いてください。お金はいただけるだけで結構です」で、コンサートは「とにかく面白いものをやるので、それなりにお金を払って来てください」という感じです。そして私のやりたいのはコンサートですね。今日も13日のライブ(=コンサート)の練習をしてきましたが、かなり良い物を提供できそうです! まあ、でも、いくら本人に自信があっても、それが受け入れられるとは限りませんけどね(笑)

ちなみにこう考えると、コンクールもリサイタルの一つの形態かも。
今日は東京国際ギターコンクールの二次予選を聴きに行ってきました。

今年はスケジュールが合わなく、現代ギターの原稿を書かなくても良いので、ちょっと好き勝手に書いてみましょう。

今日は11時開演に間に合わなくてもいいと思いながら、実際少し遅れて行きました。というのも、一番手が例のCampanarioだったからです。ご存じの方もいると思いますが、彼は過去に二回、本選に行きながら、二回とも連絡を入れずに棄権しました。その彼が昨日抽選に来ず、その結果一番手に選ばれたということを知ってから、私は彼が予選に出ないと予想していました。その期待を裏切らず、彼は再びカンパナりました(=大切な場面をすっぽかすという、新しいギター業界用語)!

それはさておき、事実上の一番手となったCameron O'CONNORの演奏はすごかったです。今までにここまで完成度の高い演奏を聞いたことはほとんどありません。課題曲のバッハは、声部をよく弾き分けて、アーティキュレーションもしっかりしている。強弱とアーティキュレーションを使った同じフレーズの繰り返しも見事。しかも音色がとても整っている! 音色、表情、構成感などがすべて素晴らしいのです! テデスコの«ロンド»も、ここまで整って表情のある演奏を聞いたのは初めて。非常に知的で洗練された演奏でした。彼は当然本選に通りましたが、明日の演奏が楽しみです。

次のXavier JARAは、歳相応(93年生)に幼い演奏でしたが、メカニズムはしっかりしていて、本選に残りました。その次はThomas CSABA。最近名古屋コンクールで一位となり、素晴らしいと聞いていたのですが、最初に弾いた自由曲はとても素晴らしかった。ただ、その後に弾いた課題曲のバッハはあまり良いものとは言えません。やたら速いルーレや、重々しいジーグにはとても違和感を感じました。それでも自由曲と総合的に考えれば、本選に通ったのはうなずけます。

次は秋田勇魚。ちょっと不確かな発音が多く、それでももしかしたら通るかもとは思ったものの、残念ながら本選に進めませんでした。斎藤優貴は、若干強弱の差が出ていない、ちょっとしたミスを繰り返すということがあったものの、音色が整っているからそれでも通ると思っていたら、本選に残りました。

飯野なみは全体的におとなしく控えめな音に聞こえ、さらに弾くのが若干苦しそうに見えたのがマイナスでした。大西洋二朗は、出だしからしばらく最高だったのが、結構大きなミスをしてから崩れていった感じです。

次は小暮浩史。左手に起因する不確かな音がそれなりにありましたが(借り物の楽器だったそうで)、音楽の作りはしっかりしていて、また自由曲の完成度が高かったのもあって、予想通り本選通過しました。その次のMinseok KANGは、まだまだ音楽が幼すぎますね。彼は92年生まれとのことですが、彼に比べると93年生まれのXavier JARAは、ずっと大人だったように感じます。

山田大輔は外人勢、そして本選に通った他の日本人に比べて細かい音色のコントロールができていないようですが、それ以外の技術は確かなものです。自由曲としてアルベニスの«マラガ»を選び、ギターでは本来無理な内容を、それなりに聞かせていました。それは確かにすごいことです。でも、この曲を例えばオーケストレーションして演奏した時のことを考えると、彼の今回の試みは、一人でギターで弾いたということだけが際立って、それ以外の芸術的価値は見出し難いと言わざるを得ません。

最後の吉住和倫は、課題曲で大きなミスを何度かしたのが残念。自由曲のヴァシリエフの、特に«ワンダラー・イン・タイム»ではとても印象的な表現を見せていました。

という感じの二次予選でした。少しでも雰囲気が伝わったでしょうか。