第57回東京国際ギターコンクール2014/12/09 00:50

予選の後はMarko Topchiiのコンサートをパスして、13日のライブの合わせ。その後は美味しい焼肉を食べながら打ち合わせ。

さて、本選に行くと、昨日のTopchiiはすごかった、スタンディングオベーションも出たとか。。。ちょっとは聞いてみたかったんですけど、でも今回初めて合わせる曲もあったので、この練習は外せなかったんですね〜。それに、トモサンカクっていう赤身肉が、すっごく美味しいんですよ!

それはさておき、本選について軽く書きましょう。

本選は、予選で最高の演奏をしていたCameron O’CONNORから始まりました。今まで、予選ではとても素晴らしいけれど、本選はさほどではなかった人が何人かいます。そして彼も、その一人でした。。。
ロドリーゴの«ファンダンゴ»から始まったのですが、すごくよく整って、考えられた表現です。でもこの曲が、そんなきれいきれいの表現で良いの?と疑問に思いました。リズムよりは優雅さが全面に出た感じです。その後も聞いていくと、構成感はしっかりして表情もすごくて丁寧だけれど、ダイナミクスの幅が決定的に足りないのが際立ってきました。

次の齋藤優貴は、Cameron O’CONNORに足りないのはこれだ!と言わんばかりの、思い切りの良い演奏。でも、自由曲に選んだバッハのソナタ3番のフーガは、まだ全然消化できていないように感じました。

小暮浩史はバランスの良い選曲で、今までにも増して素晴らしい演奏。圧倒的なアピールはなかったものの、すべての時代を適切に、表情豊かに確実にまとめていました。ちなみに課題曲の演奏は、最後のThomas CSABAの次に良かったと思います。

次のXavier JARAは、まずとにかく凄い音色に惹き込まれます。それで奏でられるダウランドは、今までクラシックギターでは聞いたことのないくらい、独特で素晴らしいもの。その後彼は、よどみない、非常に高いメカニズムを見せつけてアピールしてきました。とは言うものの、ロドリーゴの«トッカータ»は無理だったのでは。この曲の実演はあまり聞いたことがありませんが、その中ではものすごくしっかりしてはいます。ただ、あの曲はギターでは到底不可能な、彼ですら弾けないレベルまで要求している曲なので、聞いていて不満でした。

山田大輔は本選に出た他の奏者と比べると、明らかに見劣りしてしまいました。しかも自由曲のひとつに選んでいたテデスコの«ロンド»は、前の日にCameron O’CONNORが好演していただけに、彼に比べると全然表現が足りないのが見えてしまいました。

最後のThomas CSABAは、ファリャの«ドビュッシーの墓に捧げる讃歌»は、以前聞いた小暮の演奏や、他の人の演奏より明らかに表現が足りなく感じます。バッハもそれなり。しかしモーの«ミュージック・オブ・メモリー»、そして課題曲は素晴らしかった。«ミュージック・オブ・メモリー»は今までに聞いて最高だと思っていたPetri Kumelaの演奏を超えていました。ただ、課題曲の譜面を把握している人が、彼は二小節飛ばした、と言っていました。

全部聞いてまず思ったのは、1位をとれるとしたら小暮浩史、Xavier JARA、Thomas CSABAの誰かだということ。小暮は他の2人に比べると、前に出てものすごくアピールするものが足りなく、はっきりした粒立ちの良い音でバリバリ弾くこともありませんでした。Xavierはすごいメカニズムでしたが、課題曲の表現では他2人に負けている気がします。Thomasはファリャがあまり良くないこと、«ミュージック・オブ・メモリー»で何度か忘れそうになったのか、流れが淀んだこと。課題曲の小節飛ばし。3人とも何がしかのマイナス要素を持っているわけです。

次にCameron O’CONNORと齋藤優貴が、どちらが上になるかわからないけれど、続くだろうと思いました。そして6位は山田大輔の予想。

結果は下記ですが、得点を見ると4位までほとんど差がありません。
1st prize Thomas CSABA 117.5
2nd prize Xavier JARA 117
3rd prize 小暮浩史 116.5
4th prize Cameron O’CONNOR 116
5th prize 齋藤優貴 106
6th prize 山田大輔 97

Cameronが予想より高く評価されましたが、他はすべて予想通りと言えば予想通りです。上位3人の混戦模様はよくわかります。Cameronのようなタイプが、そこと接戦するほど高く評価されたのはやはり、このコンクール審査の新傾向なのでしょうか。正直この4人ともリサイタルをして、観客を楽しませる力を持っているでしょう。特に、自分のマイナス要素を見せない選曲にすれば、納得のコンサートになると思います。