自分がジストニアだと知った時2015/02/20 13:31

ボールペンでは滑り落ちてしまうので、自分なりの器具を作り、私はそれを持ちながらまた人前で弾き始めました。

しかし、ジストニアの本を読んだことのある人ならわかると思いますが、こういった器具などで脳をごまかし、それで元通りに弾けるようになるというのは、この障害に関わる人達にはすでにわかっていたことでした。そして、それが決して長続きしないというのも、これも既知の事実だったのです。

実際、その器具を持っていても、だんだんと和音が弾きにくくなったり、その他にもいろいろな症状が出てきて、今までよりもより本格的に自分の病気について考えるようになりました。

この数年前からとにかく健康には気をつけていました。どんな原因で病気になっているにせよ、心身ともに健康を心がけるのが基本だろうということで、乳酸菌で腸内環境整備をし、ビタミン、ミネラルをサプリメントとして補った食生活を心がけてきました。

その他にも血流が滞ってては行けないということで、ヘミシンクの、血液の循環を促すCDを聞きました。そうしたらある日、何かが右手を強く流れた感覚がして、しばらく右手全体がしびれて動かせなくなりました。その後は正常に動き始め、ギターを弾いてみると、それまでの日々よりかなりましになっていました。

慢性の鼻炎が演奏に関わっているのを感じて、それを治し始めたのもこの頃です。スケールの調子が悪いとき、それをなんとか普通に弾こうとすると、鼻が詰まっている日にはものすごく息が切れる事に気づいたのです。実はこの頃、中くらいの速さのスケールが弾けなくなりました。遅いスケール、速いスケールは弾けます。しかしある程度速度を抑えたスケールを弾こうとすると、右手全体がこわばり、まったく弾けないのです。それをなんとか弾こうとすると、ちょっとしたスケールを弾いただけなのにものすごく息が切れました。この経験から、息を整えないとまずいというのを本能的に感じたのです。

こうして肉体的、もしくは「気」に関する問題を無くしていっても、器具を持たないとギターを始めて1年くらいの人の指でした。そんなある日、ギターを水平に置いて弾いてみたことがあります。そうしたら右手は、器具なしでも全く正常に動くのです! これによって今まで漠然と感じていた、この病気は脳に深く関わっているという疑惑が、決定的になってきました。

この後、初めてジストニアという病気の存在を知ります。2008年12月。発症から20年以上経ってからです。