脳を鍛える2015/02/21 17:58

自分の障害は物理的なものではなく、脳に深く関わっているとうすうす気づいてはいましたが、「ジストニア」について知れば知るほど、自分の状態が正にそれであることがわかりました。前回の記事で書いた通り、身体に関係しそうな問題は次々と解決して来ていたので、これ以降は、指よりはむしろ「脳」を治すことに心を砕いて来ました。

※練習を、起きてからすぐの症状の出にくい時間帯にする
ジストニアは起き抜けに症状が出にくいというのを聞いて、起きてすぐ練習してみたら、確かに夜練習するのより弾けました。こう言った時間に練習することによって少しでも、自分の指が正常に動いている感覚を身に付けて行きます。

※ギターを逆に構えて鏡に左手を写す
私は右指がジストニアになりましたが、逆に構えて左指で弾くと、壊れた右手よりはましでした。その左手を鏡に映すと、自分の右手が正常に動いているような錯覚を得ることが出来ます。

※めちゃくちゃ弾ける人たちの演奏を間近に聞いて、じっくりと見る
藤元高輝くんと小暮浩史くんが恵比寿のカリスで演奏した際、その動画をもらったのですが、これは彼らの右手が、本当によく見える位置から録画されていました。その動画を食い入る様に見て、自分の右手もそう動いているのをイメージしたものです。

※普通にギターを構えている状態で、非常に弾ける人に後ろから手を出してもらい、一流の指使いをその視点から見る
松田弦くんに、後ろから手を出して弾いてもらったのは効果的でした。そのときに見た右手の動きを何度も頭の中で反復しながら、自分の右手をそれに近づけて行きました。


こういったイメージを形作る一方で、もちろん単純訓練もやりました。
※可能な限り弱音で弾く
※可能な限りゆっくり弾く
※弾いた指をすぐその弦に戻す
これらは正常な指の人にとっても良い訓練でしょう。

他にフォーム矯正で気をつけたことです。
※手首をまっすぐにする
※親指の関節を外に出す
※アルペジオ、スケール、和音を同じフォームで弾く
※ひたすら基礎練習だけをする

ただ、一年ちょっとは、こういったことをしていてもなかなか良くはならず、「一ヶ月前の状態と比べてみればほんの少しは進歩しているのだからあきらめないで」と自分を慰める日々が続きました。ところが、これがある時を境に、進歩の速度が飛躍的に高まります。