第46回クラシカルギター・コンクール2015/05/08 02:06

今回の第2次予選課題曲は非常に短く、楽譜のテンポ指定通りAllegretto、Allegroで弾くと、それぞれ約30秒、45秒しかありません。2次予選参加者も少なかった(24名)ことがあり、何と前半、後半それぞれ40分で、予選が終了してしまいました。今までこのコンクールを20回くらい聞いていると思いますが、その中では最速で予選が終了したと言って良いでしょう。

ただ、時間は短かったものの、内容の濃い人が多かった印象があります。もしかしたら「本選に行ける自信は全然無いけれど、度胸付のために」みたいな感じで受ける人が皆、他のコンクールに流れているのではないでしょうか。

予選を聞いて気になった人は10人。

常夢蝶、山田唯雄、斎藤優貴、西田武史、木村眞一朗、伊藤亘希、長佑樹、藤原盛企、片根柚子、秋田勇魚。

この中の常夢蝶、山田唯雄、斎藤優貴、伊藤亘希は絶対通ると思ったのが、実際に通ったのは斎藤優貴、西田武史、伊藤亘希、長佑樹、片根柚子、秋田勇魚。常夢蝶、山田唯雄は鳴り切らない音をそれなりに出していましたが、同じようなミスをしても通っている人がいることを考えると、表現が嫌われたのかもしれません。

本選の演奏は非常にバラエティに富んでいました。それぞれのソナタ「英雄」を簡単に書くなら、

斎藤優貴〜爽やかだが押しの弱い英雄
西田武史〜重厚で意思が強いが、ついど忘れをしてしまった英雄
伊藤亘希〜あまりに性急で、付いて行くのに戸惑う英雄
長佑樹〜沈思黙考型の、慎重過ぎるかもしれない英雄
秋田勇魚〜楽しい、周りを惹きつける伊達男の英雄

なお、片根柚子はドレスによるギターの滑りが気になってまともに演奏できなく、このような比喩はできない状態でした。

そして結果は
第1位 秋田勇魚
第2位 斎藤優貴
第3位 長佑樹
第4位 伊藤亘希
第5位 西田武史
第6位 片根柚子

秋田の演奏があまりにショーマンシップに満ちていたので、コンクールでは嫌われると思い、私は1位と2位を逆に予想していました。しかしこのような結果になったということは、新審査員たちの影響が出ているのかもしれません。

これ以上の内容は、現代ギター誌にて。

ところで今回、前年優勝者の飯野なみさんが、優勝祝にプレゼントされたという曲を弾いていました。それに対抗して(笑)、私も秋田勇魚くんに何かお祝いの曲を作ることになりました!

そういえば、昨年10月にギターソロ作品をまとめて発表したのを知らない方がいたら、是非この再生リストを見てください。小暮浩史と藤元高輝が頑張って弾いてくれています。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLIU1Yp901WTGp5RnYDqY7fmOte_ueBoW9

この時の曲はいくつかすでに出版されていますが、一番易しい、私にとって初めてのアマチュア向けの曲«Illuminations»が、順調に行けば現代ギターの9月号から連載が始まる予定です。

作曲依頼などありましたら、お受けしますよー!

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