名古屋コンクール20072007/12/10 21:22

昨日は名古屋コンクールを受けて来た。ポピュラーのコンテストを除けば、今年最初で最後のコンクール。
今回は出演者ということで、予選を聞くことができたのは半分ほど。そこから判断した限りでは本選に残れると思っていたが、残ることはできなかった。でも本選を聴くと、上位3人よりうまく弾くのは今の自分には無理っぽかったので、まあ仕方ないだろう。ブランクがあるとは言え、この年齢で本選に残るには、本選で一位をとれそうなくらいもっとうまくないとダメなのだと思った。

ということで本選。残れなかったのもあってちょっといい加減な審査員モード。しかも6人中5人を知っているし。

最初は斉藤泰士君。彼は最近知り合ったばかりで、演奏を聞くのは初めて。しっかりした技巧で、あでやかにギターを奏でていた。ただ、自由曲の一曲目で弾いたテデスコのトナディーリャは、もう少しドラマティックな曲だと思う。また課題曲のソルに工夫が足りなかったとも言える。
次の演奏順は誰だったか。ちょっと本気モードではないのでよく覚えていない。とりあえず志野文音さんは15歳ということだが、まあそれなりの、年相応の演奏。大野元毅君は久しぶりに聴いたが、相変わらずソウルフルな演奏。ただ感情にまかせて、パッセージの細かい音を完全に飛ばしてしまうのはまずいと思う。山田大輔君は、いつも通りのそつのない演奏。あれだけ高い技巧でこれをやられてしまうと、どうしても上位確定間違いない。

ここまで聴いて、山田大輔、斉藤泰士の二人と大野元毅、志野文音の二人には明らかに差があった。そして、次に演奏したのは井上仁一郎君だが、演奏前の予想としては彼が一位になってくれると思っていた。ところが、全体は予想通り良かったが、いくつかの「決め」のところに限ってミスをして、これはコンクール的にまずいと思った。そして最後に弾いたのは生田直基君。彼は課題曲が仕上がっていなく、自由曲がいかに良くても挽回できないほどの印象を与えてしまった。

このコンクールは上位3人にのみ順位を付けるが、私の独断予想は
山田大輔
斉藤泰士
井上仁一郎

ただし、私が音楽的に好きなのは全く逆順。それでもコンクールだからこういう順位になると思っていた。しかし結果は
井上仁一郎
山田大輔
斉藤泰士

この結果を出してくれた審査員に、私は非常に好印象を持った。決め所でミスをしたからといって、井上の音楽的感性は、他の二人を引き離している。他のコンクールでは、音楽的には圧倒的な差がありながらも、ちょっとしたミスで下位に下がってしまう例が多々ある。その中でこのような審査結果を出した名古屋コンクールは、なかなか面白いコンクールだと言えよう。