GLC第36回学生ギターコンクール雑感 ― 2011/08/23 10:34
今年は本選の審査を初めてやったので、その感想など書いてみます。ただ、誰が何の自由曲を弾いたかと言うデータがないので(審査結果の紙はもう手元にないので)、正直あまり思い出せないところがあります…
順位はこちらをご覧ください。
http://www.glc-guitar.com/competition/performers/2011.html
小学生低学年でとても印象に残ったのは、ヘンツェの《ノクターン》を弾いた子でした。音楽としてはかなりの仕上がり。おもわず一位を上げたくなったほどでしたが、やはり他の子と比べると極端に易しい曲を弾いているので、それはできませんでした。ただ、他の子はこういった易しい曲をちゃんと音楽的に弾けるのか、そういった練習をちゃんとしているのか、と、そんなことを思いました。赤井香琳が弾いたイルマルの《シンプリシタス》は、それなりに良くできていて私も一位を付けました。しかし他の、難しい曲に挑んで表現出来ないでいた子たちよりは、私はこの《ノクターン》を弾いた子を上に見て、彼女に二位につけました。
高学年の中田真翠は圧巻でした。文句なく一位です。でもちょっと残念だったのは、《森に夢見る》の一番の見せ所とも言えるスケールのところでミスっていたこと。こういうところでミスると、ここ一番というときに弱いのかな、とか(私は)思ってしまいます。もう一人印象に残っているのが、バッハの無伴奏チェロ組曲第5番《プレリュード》を弾いた子。技術的には見事なものがありましたが、バッハの音楽という観点から見ると、正直かなりぼろぼろでした。小学校高学年でこのような曲に挑む場合には、教える側の音楽的な手助けがかなり必要なのではないでしょうか。せっかくあれだけ指が動くのだから、音楽的にもそれに見合うものを身に付けて行って欲しいものです。
中学生で私が非常に感動したのは、二位になった山本大河です。彼が弾いたドメニコーニの《トッカータ・イン・ブルー》は、今まで聴いた日本人の演奏の中では一番気に入りました。もっと他の曲も聴いてみたいと思ったし、私は彼を一位につけました。もちろん一位になった金田栞奈も見事な演奏でした。もう少しだけ喜び、悲しみの表現が深ければ、私も一位を付けたでしょう。今年はこの中学生部門が、一番レベルが高かったと思います。
高校生では井本響太を高く評価する人が多く、彼が一位になりました。ちなみに私がつけたのは三位。私が彼の演奏に関して非常に気になったのは、出す音質をあまり気にしていないことです。まるで鉄弦のアコギでも弾いているような感じで、クラシックギターという楽器を手に取って弾いている意味をあまり感じない演奏でした。二位になった木村眞一朗は文句のつけにくい演奏で、私も二位をつけています。そして私が一位を付けたのは菅沼聖隆でした。
大学生で一位になった飯野なみは、私も一位をつけています。というか、大学生の順位は、私がつけたのとすべて同じでした。四位の西村拓也、五位の美山華鈴は、音楽性で言えば二位の富岡淳、三位の伊藤亘希よりも成熟したものを持っているように感じます。ただメカニズムの安定度は、二位、三位の彼らの方が圧倒的に上でした。
順位はこちらをご覧ください。
http://www.glc-guitar.com/competition/performers/2011.html
小学生低学年でとても印象に残ったのは、ヘンツェの《ノクターン》を弾いた子でした。音楽としてはかなりの仕上がり。おもわず一位を上げたくなったほどでしたが、やはり他の子と比べると極端に易しい曲を弾いているので、それはできませんでした。ただ、他の子はこういった易しい曲をちゃんと音楽的に弾けるのか、そういった練習をちゃんとしているのか、と、そんなことを思いました。赤井香琳が弾いたイルマルの《シンプリシタス》は、それなりに良くできていて私も一位を付けました。しかし他の、難しい曲に挑んで表現出来ないでいた子たちよりは、私はこの《ノクターン》を弾いた子を上に見て、彼女に二位につけました。
高学年の中田真翠は圧巻でした。文句なく一位です。でもちょっと残念だったのは、《森に夢見る》の一番の見せ所とも言えるスケールのところでミスっていたこと。こういうところでミスると、ここ一番というときに弱いのかな、とか(私は)思ってしまいます。もう一人印象に残っているのが、バッハの無伴奏チェロ組曲第5番《プレリュード》を弾いた子。技術的には見事なものがありましたが、バッハの音楽という観点から見ると、正直かなりぼろぼろでした。小学校高学年でこのような曲に挑む場合には、教える側の音楽的な手助けがかなり必要なのではないでしょうか。せっかくあれだけ指が動くのだから、音楽的にもそれに見合うものを身に付けて行って欲しいものです。
中学生で私が非常に感動したのは、二位になった山本大河です。彼が弾いたドメニコーニの《トッカータ・イン・ブルー》は、今まで聴いた日本人の演奏の中では一番気に入りました。もっと他の曲も聴いてみたいと思ったし、私は彼を一位につけました。もちろん一位になった金田栞奈も見事な演奏でした。もう少しだけ喜び、悲しみの表現が深ければ、私も一位を付けたでしょう。今年はこの中学生部門が、一番レベルが高かったと思います。
高校生では井本響太を高く評価する人が多く、彼が一位になりました。ちなみに私がつけたのは三位。私が彼の演奏に関して非常に気になったのは、出す音質をあまり気にしていないことです。まるで鉄弦のアコギでも弾いているような感じで、クラシックギターという楽器を手に取って弾いている意味をあまり感じない演奏でした。二位になった木村眞一朗は文句のつけにくい演奏で、私も二位をつけています。そして私が一位を付けたのは菅沼聖隆でした。
大学生で一位になった飯野なみは、私も一位をつけています。というか、大学生の順位は、私がつけたのとすべて同じでした。四位の西村拓也、五位の美山華鈴は、音楽性で言えば二位の富岡淳、三位の伊藤亘希よりも成熟したものを持っているように感じます。ただメカニズムの安定度は、二位、三位の彼らの方が圧倒的に上でした。
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