第24回重奏フェスタ ― 2012/03/29 21:13
日本ギター合奏連盟主催の第24回重奏フェスタ(コンクール&フェスタ)への応募者が例年よりかなり少ないらしいです。
皆さんのお弟子さん、お知り合いで応募なさるかたはいらっしゃいませんか?
コンクールでさらっと一位を取ってみてはどうでしょう。
日本ギター合奏連盟 主催 第24回重奏フェスタ(コンクール&フェスティバル)の締め切りは今月末です。
2012年6月30日 (土) きゅりあん小ホール 11:00~(JR京浜東北線・りんかい線・東急大井町線/ 大井町駅 東口徒歩1分)
■第24回重奏コンクール応募要項
http://orange.zero.jp/primavera.rose/sub9.htm
演奏曲 10分以内の自由曲(曲間も含む。10分を超過した場合は失格)。曲数制限はない。ギターのみの重奏、1パート1人。電気による増幅は不可。同一人の複数エントリーは不可。
参加料 二・三重奏=1人7,000円(連盟会員=6,000円)
四重奏以上=1人6,000円(連盟会員=5,000円)
申込方法 2012年3月31日(当日消印有効)までに申込書と演奏曲の楽譜を事務局に郵送し、参加費を振込先に振り込む。
◆申込書は下記「申込みメール」からも可。
◆払込用紙の通信欄に「参加団体名」と「重奏コンクールの参加料」を明記する。
◆参加料の払い戻しは理由を問わずできない。
賞 第一位:日本ギター合奏連盟賞(5万円)、JGA賞(5万円)、現代ギター社賞(曲集)、他賞品。
第二位・第三位:賞品
各賞 学生奨励賞(1万円)
一般奨励賞(1万円)
フリーバーズベストデュオ賞(2万円)
HARUMI賞(1~2万円)※現代オリジナル作品(三重奏以上)の優秀な演奏に対して
特典 第一位入賞団体は、翌年の重奏フェスタでゲスト出演の資格を得る。
審査員 日本ギター合奏連盟理事
■第24回重奏フェスティバル応募要項
演奏曲 6分以内の自由曲。曲数制限はない。1パート1人。他楽器との重奏も可。(ピアノ・電気楽器は不可)
参加料 二・三重奏=1人4,000円(連盟会員=3,500円)
四重奏以上=1人3,000円 (連盟会員=2,500円)
延長料 演奏時間が6分を超過する場合は1団体1分につき3,000円加算する。
申込方法 2012年3月31日(当日消印有効)までに申込書を郵送し、参加費を振込先に振り込む。
◆申込書はこの「申込みメール」からもできます。
kato◯sigumaguitar.com
(◯を@に変えてください)
皆さんのお弟子さん、お知り合いで応募なさるかたはいらっしゃいませんか?
コンクールでさらっと一位を取ってみてはどうでしょう。
日本ギター合奏連盟 主催 第24回重奏フェスタ(コンクール&フェスティバル)の締め切りは今月末です。
2012年6月30日 (土) きゅりあん小ホール 11:00~(JR京浜東北線・りんかい線・東急大井町線/ 大井町駅 東口徒歩1分)
■第24回重奏コンクール応募要項
http://orange.zero.jp/primavera.rose/sub9.htm
演奏曲 10分以内の自由曲(曲間も含む。10分を超過した場合は失格)。曲数制限はない。ギターのみの重奏、1パート1人。電気による増幅は不可。同一人の複数エントリーは不可。
参加料 二・三重奏=1人7,000円(連盟会員=6,000円)
四重奏以上=1人6,000円(連盟会員=5,000円)
申込方法 2012年3月31日(当日消印有効)までに申込書と演奏曲の楽譜を事務局に郵送し、参加費を振込先に振り込む。
◆申込書は下記「申込みメール」からも可。
◆払込用紙の通信欄に「参加団体名」と「重奏コンクールの参加料」を明記する。
◆参加料の払い戻しは理由を問わずできない。
賞 第一位:日本ギター合奏連盟賞(5万円)、JGA賞(5万円)、現代ギター社賞(曲集)、他賞品。
第二位・第三位:賞品
各賞 学生奨励賞(1万円)
一般奨励賞(1万円)
フリーバーズベストデュオ賞(2万円)
HARUMI賞(1~2万円)※現代オリジナル作品(三重奏以上)の優秀な演奏に対して
特典 第一位入賞団体は、翌年の重奏フェスタでゲスト出演の資格を得る。
審査員 日本ギター合奏連盟理事
■第24回重奏フェスティバル応募要項
演奏曲 6分以内の自由曲。曲数制限はない。1パート1人。他楽器との重奏も可。(ピアノ・電気楽器は不可)
参加料 二・三重奏=1人4,000円(連盟会員=3,500円)
四重奏以上=1人3,000円 (連盟会員=2,500円)
延長料 演奏時間が6分を超過する場合は1団体1分につき3,000円加算する。
申込方法 2012年3月31日(当日消印有効)までに申込書を郵送し、参加費を振込先に振り込む。
◆申込書はこの「申込みメール」からもできます。
kato◯sigumaguitar.com
(◯を@に変えてください)
名古屋ギターコンクール ― 2011/12/13 00:13
本選だけ聞きに行きました。今回はメモも取らずに気軽に聞きましたが、ちょこちょこっと感想など。
吉住和倫はとても大人しかったですね。すべてがこじんまりとし過ぎたかも。伊藤兼治はミスさえなくなっていけば、音楽的には今の方向性で大丈夫な感じ。閑喜弦介はとてもダイナミックで面白い演奏でした。ただ、深みが足りないと言うか、若い年齢なりの普通の深みでした。西田武史はテクニックが非常に安定しているものの、音楽的な内容が乏しすぎた感じ。吉村太志は中庸を行くような、特に目立つものはないけれどしっかりと基礎は抑えている演奏でした。菊地翔天は素晴らしかった。彼の課題曲の演奏は、他の演奏者たちとは別格。自由曲も非常によく作りこまれていて、これほどの弾き手がいつの間にか生まれていたのかと、うれしい悲鳴が出てきました。
聞き終わって一応予想してみた結果は、一位から順にこれ。
菊地翔天
閑喜弦介
吉村太志
西田武史
吉住和倫
伊藤兼治
実際の結果はこちら。
第一位 菊地翔天
第二位 閑喜弦介
第三位 吉村太志
このコンクールは4位以降を発表しなかったのですね。
ところで今回、客席が非常に寂しかった。来年は20周年記念とのことなので、みんな聞きに行って、名古屋コンクールをもり立てて行きましょう。東北ギターコンクールみたいに消滅して欲しくないです。
そういえばイーストエンドギターコンクールの締め切りがもうすぐ。こちらももり立てて行きたいところです。12分以内の自由曲だけで受けられるので、是非いかがでしょう?
http://eastendguitar.web.fc2.com/
吉住和倫はとても大人しかったですね。すべてがこじんまりとし過ぎたかも。伊藤兼治はミスさえなくなっていけば、音楽的には今の方向性で大丈夫な感じ。閑喜弦介はとてもダイナミックで面白い演奏でした。ただ、深みが足りないと言うか、若い年齢なりの普通の深みでした。西田武史はテクニックが非常に安定しているものの、音楽的な内容が乏しすぎた感じ。吉村太志は中庸を行くような、特に目立つものはないけれどしっかりと基礎は抑えている演奏でした。菊地翔天は素晴らしかった。彼の課題曲の演奏は、他の演奏者たちとは別格。自由曲も非常によく作りこまれていて、これほどの弾き手がいつの間にか生まれていたのかと、うれしい悲鳴が出てきました。
聞き終わって一応予想してみた結果は、一位から順にこれ。
菊地翔天
閑喜弦介
吉村太志
西田武史
吉住和倫
伊藤兼治
実際の結果はこちら。
第一位 菊地翔天
第二位 閑喜弦介
第三位 吉村太志
このコンクールは4位以降を発表しなかったのですね。
ところで今回、客席が非常に寂しかった。来年は20周年記念とのことなので、みんな聞きに行って、名古屋コンクールをもり立てて行きましょう。東北ギターコンクールみたいに消滅して欲しくないです。
そういえばイーストエンドギターコンクールの締め切りがもうすぐ。こちらももり立てて行きたいところです。12分以内の自由曲だけで受けられるので、是非いかがでしょう?
http://eastendguitar.web.fc2.com/
第54回東京国際ギターコンクール 本選 ― 2011/11/22 01:42
本選の最初はAndrey PARFINOVICH。自由曲がバッハのBWV998より《プレリュードとアレグロ》、アグアドの《序奏とロンド》、ロドリーゴの《ソナタ・ジョコーサ》。二次予選の演奏と合わせてこの選曲を考えると、華やかなだけで中身のない演奏になってしまうのではないかと思っていた。そして聴き始めると予想したとおり、かなりあっさりした演奏が続く。バッハのプレビュードでは若干フレーズ感がおかしくなったり、アーティキュレーションが単調だったりしている。アレグロは速いだけで、低音のアーティキュレーションがない。アグアドでも、とにかく技術はあるのだが、音を切って軽やかにしたりという工夫が全くない。しかも楽譜の間違いをそのまま弾いている。課題曲の《エキノクス》も、本人は好きだと言っていたが、他の演奏者と比べると結構深みが足りなかった。しっかりとした音で正確に弾くことについては優秀だけれども、若干中身が薄いと感じる演奏だった。
小暮浩史はエキノクスから入ったが、前の彼よりずっと空気感がある。ぼちぼち良い感じ。次のムダーラ《アレクサンダーのパヴァーヌとガリアルド》では、パヴァーヌでの和音の流し方が気になった。ルネッサンス音楽でもアルペジオ風の和音は全然大丈夫なのだが、彼のアルペジオ風の和音の鳴らし方は、ルネッサンスのこの曲が持つ軽やかさ、清浄さを削っていた気がする。またガリアルドでも弾み方がちょっと足りなかったのが惜しい。次のパガニーニの、以前から弾いているソナタでは、ちょっとミスが多くなり、集中力にかけてしまった演奏。だが、ブローウェルの《円柱の都市》では、陰影の十分な好演を見せてくれた。その後に弾いたピアソラの《チキリン・デ・バチン》はアンコールピースという感じ。コンクールであることを気にせずにショーとして考えた場合、バランスのとれた選曲だったのではないだろうか。
次はOegmundur Thor JOHANNESSON(Ögmundur Þór Jóhannesson)。この人の演奏はある意味、とても面白い。とにかく響きを大切にし、カンパネラを多用して音を一瞬重ねる出し方を多用している。まるで教会で鳴っている音を聞いているようだ。エキノクスでも、結構実音をハーモニクスにしたりして、そういう音を作っていた。ミラノの《ファンタジア》もまあまあ素晴らしい。次のヴェルトミューラーの「ソナタ」より《アレグロ》においても、古典らしい軽やかな演奏が続く。しかし、ここらへんまで聞いてくると、ちょっとメリハリが足りない(むしろ意図的にそれを抑えている?)とか、輝かしい要素がないとか不満が出てきた。そこからゲルハルトの《ファンタジア》、ダンジェロ《2つのリディア旋法の歌》と聴き続けるとそろそろ、「はい、わかりました。確かにいいのはわかるんですけど、ちょっと他の雰囲気も聞かせてくれませんか」と言いたくなった。
次はFlorian LAROUSSE。予選の見事な《魔笛》があったので期待していたが、ダウランドの《フェアウェル》で始めたところ、少ししてど忘れ。しかも思い出せなくてまた最初から弾きだした。この曲は本当に美しい曲なのだが、あちこちで記憶不鮮明のためか、音楽の歪みが見られ、演奏を楽しむことができなかったし、もう一度止まるのではとまで思われた部分もあった。ダンジェロ《2つのリディア旋法の歌》では調子を取り戻し、なかなかの好演。エキノクスもここまでの人たちの中では一番良かった。レゴンディの《序奏とカプリス》も結構良い。とはいえ、どの曲も「結構良い」というレベルで、予選のときのように信じられないほどよいという演奏は残念ながらない。そして《フェアウェル》の失敗もあり、この時点でこの人が一位はないと思えてきた。
さて、次に演奏する予定>>だった<<のはAndres CAMPANARIO。ところが時間になっても現れない。連絡も何もなかったらしい。とりあえず演奏開始時間までは待ってみたが、すぐに理事を集めて協議、そして失格となった。私の予想をはるかに裏切って本選に来た人の演奏を聞いてみたかったのだが、残念。
しばし休憩が長引き、最後は藤元高輝。エキノクスはFlorianと甲乙つけがたい出来。バッハのヴァイオリン・ソナタ第3番から《アダージョ》《フーガ》を弾いたが、アダージョはちょっと、こんなにあっさりしていていいのかという気がした。また装飾の仕方にあまりバロックらしさを感じない。しかしフーガは見事で、声部の弾き分けがよく聞こえる演奏だ。主題のアーティキュレーションが若干不統一なのが気になったが、総合的には結構良い演奏。レゴンディの《序奏とカプリス》はFlorianのひたすら優雅に卒なくまとめた演奏と比べると、もっと劇的な変化があり、ところどころ思わず引きこまれそうな部分もある魅力的な演奏。惜しむらくは細かいミスを結構何度もしてしまったこと。それがなければ「ブラボー」と言いたくなる出来だった。ヘンツェの「王宮の冬の音楽」より《グロスター》は、彼のそれを聞くのはこれで3,4回目だが、今まで一番良い出来だったと思う。
聴き終わって私がつけてみた順位は、100点満点の点数と共に書くと
藤元 高輝 (67)
Florian LAROUSSE (61)
小暮 浩史 (58)
Andrey PARFINOVICH (55)
Oegmundur Thor JOHANNESSON (52)
実際の順番もこれと同じだった。
余談だが、ちょっと小さめの音でひたすらきれいに響きを大切に弾くOegmundurは、演奏以外ではかなり陽気な面白い人だった。彼は自分の美意識にとても自信を持っていて、それで受けいられなかったらしょうがないと言っていた。でも、来年もまた受けようと思うと言ったので、ちょっと輝かしさを見せるような曲も選ばないとダメだと言ったら、しぶしぶうなづいていた。今日の仕事を休みにしていたら、明け方の渋谷に付き合ったのだが。
小暮浩史はエキノクスから入ったが、前の彼よりずっと空気感がある。ぼちぼち良い感じ。次のムダーラ《アレクサンダーのパヴァーヌとガリアルド》では、パヴァーヌでの和音の流し方が気になった。ルネッサンス音楽でもアルペジオ風の和音は全然大丈夫なのだが、彼のアルペジオ風の和音の鳴らし方は、ルネッサンスのこの曲が持つ軽やかさ、清浄さを削っていた気がする。またガリアルドでも弾み方がちょっと足りなかったのが惜しい。次のパガニーニの、以前から弾いているソナタでは、ちょっとミスが多くなり、集中力にかけてしまった演奏。だが、ブローウェルの《円柱の都市》では、陰影の十分な好演を見せてくれた。その後に弾いたピアソラの《チキリン・デ・バチン》はアンコールピースという感じ。コンクールであることを気にせずにショーとして考えた場合、バランスのとれた選曲だったのではないだろうか。
次はOegmundur Thor JOHANNESSON(Ögmundur Þór Jóhannesson)。この人の演奏はある意味、とても面白い。とにかく響きを大切にし、カンパネラを多用して音を一瞬重ねる出し方を多用している。まるで教会で鳴っている音を聞いているようだ。エキノクスでも、結構実音をハーモニクスにしたりして、そういう音を作っていた。ミラノの《ファンタジア》もまあまあ素晴らしい。次のヴェルトミューラーの「ソナタ」より《アレグロ》においても、古典らしい軽やかな演奏が続く。しかし、ここらへんまで聞いてくると、ちょっとメリハリが足りない(むしろ意図的にそれを抑えている?)とか、輝かしい要素がないとか不満が出てきた。そこからゲルハルトの《ファンタジア》、ダンジェロ《2つのリディア旋法の歌》と聴き続けるとそろそろ、「はい、わかりました。確かにいいのはわかるんですけど、ちょっと他の雰囲気も聞かせてくれませんか」と言いたくなった。
次はFlorian LAROUSSE。予選の見事な《魔笛》があったので期待していたが、ダウランドの《フェアウェル》で始めたところ、少ししてど忘れ。しかも思い出せなくてまた最初から弾きだした。この曲は本当に美しい曲なのだが、あちこちで記憶不鮮明のためか、音楽の歪みが見られ、演奏を楽しむことができなかったし、もう一度止まるのではとまで思われた部分もあった。ダンジェロ《2つのリディア旋法の歌》では調子を取り戻し、なかなかの好演。エキノクスもここまでの人たちの中では一番良かった。レゴンディの《序奏とカプリス》も結構良い。とはいえ、どの曲も「結構良い」というレベルで、予選のときのように信じられないほどよいという演奏は残念ながらない。そして《フェアウェル》の失敗もあり、この時点でこの人が一位はないと思えてきた。
さて、次に演奏する予定>>だった<<のはAndres CAMPANARIO。ところが時間になっても現れない。連絡も何もなかったらしい。とりあえず演奏開始時間までは待ってみたが、すぐに理事を集めて協議、そして失格となった。私の予想をはるかに裏切って本選に来た人の演奏を聞いてみたかったのだが、残念。
しばし休憩が長引き、最後は藤元高輝。エキノクスはFlorianと甲乙つけがたい出来。バッハのヴァイオリン・ソナタ第3番から《アダージョ》《フーガ》を弾いたが、アダージョはちょっと、こんなにあっさりしていていいのかという気がした。また装飾の仕方にあまりバロックらしさを感じない。しかしフーガは見事で、声部の弾き分けがよく聞こえる演奏だ。主題のアーティキュレーションが若干不統一なのが気になったが、総合的には結構良い演奏。レゴンディの《序奏とカプリス》はFlorianのひたすら優雅に卒なくまとめた演奏と比べると、もっと劇的な変化があり、ところどころ思わず引きこまれそうな部分もある魅力的な演奏。惜しむらくは細かいミスを結構何度もしてしまったこと。それがなければ「ブラボー」と言いたくなる出来だった。ヘンツェの「王宮の冬の音楽」より《グロスター》は、彼のそれを聞くのはこれで3,4回目だが、今まで一番良い出来だったと思う。
聴き終わって私がつけてみた順位は、100点満点の点数と共に書くと
藤元 高輝 (67)
Florian LAROUSSE (61)
小暮 浩史 (58)
Andrey PARFINOVICH (55)
Oegmundur Thor JOHANNESSON (52)
実際の順番もこれと同じだった。
余談だが、ちょっと小さめの音でひたすらきれいに響きを大切に弾くOegmundurは、演奏以外ではかなり陽気な面白い人だった。彼は自分の美意識にとても自信を持っていて、それで受けいられなかったらしょうがないと言っていた。でも、来年もまた受けようと思うと言ったので、ちょっと輝かしさを見せるような曲も選ばないとダメだと言ったら、しぶしぶうなづいていた。今日の仕事を休みにしていたら、明け方の渋谷に付き合ったのだが。
第54回東京国際ギターコンクール 本選出場者 ― 2011/11/19 22:26
藤元 高輝
Andrey PARFINOVICH
Florian LAROUSSE
Andres CAMPANARIO
小暮 浩史
Oegmundur Thor JOHANNESSON
確かこの順番の点数だったと思うが、点数表をメモってこなかったので、もしかしたら若干違うかもしれない。しかし、通ったのがこの6人であることは間違いない。
一方、私が勝手につけた順位を200点満点の点数と共に書くと:
Florian LAROUSSE 160
藤元 高輝 150
小暮 浩史 127
Andrey PARFINOVICH 123
Oegmundur Thor JOHANNESON 117
とここまでは問題ない。通るべき人が通ったという感じだ。しかしAndres CAMPANARIOが私のリストにどこに出てくるかというと、こんな感じだ。
山田 大輔 105
木村 祐 100
奥野 隆 89
中西 勇介 86
会所 幹也 85
Andres CAMPANARIO 65
Laura HUSBANDS 60
宇田 奈津実 48
なんと、下から数えたほうが早いところに位置している。ちなみにこれ以外の人はみな棄権した。
私が彼の演奏に低い点をつけた理由はただひとつ。ひたすら独創的な、ある意味「変な」音楽だったからだ。でも彼が通ったということはこういうことなのだろうか。
少なくとも2次予選においては、中途半端に正当な音楽を示すよりは、異端でも、途中で拍をずらそうが、突然速くなろうが、際限なく1小節単位でくどいリタルダンドをしようが、自分の信じる美意識を全面に押し出すだけ押し出したほうがいいのだろうか。
また、音色という要素が、少なくともこのコンクールにおいては結構重要に取られているのではないかとも思い始めている。まあ、確かにそれは、ギター音楽にとっての重要な一要素だ。その音色が優れていると、多少音楽やテクニックに難があっても、それをカバーして上に評価される気がした。
各奏者の詳しい内容は近々現代ギター誌にて。
Andrey PARFINOVICH
Florian LAROUSSE
Andres CAMPANARIO
小暮 浩史
Oegmundur Thor JOHANNESSON
確かこの順番の点数だったと思うが、点数表をメモってこなかったので、もしかしたら若干違うかもしれない。しかし、通ったのがこの6人であることは間違いない。
一方、私が勝手につけた順位を200点満点の点数と共に書くと:
Florian LAROUSSE 160
藤元 高輝 150
小暮 浩史 127
Andrey PARFINOVICH 123
Oegmundur Thor JOHANNESON 117
とここまでは問題ない。通るべき人が通ったという感じだ。しかしAndres CAMPANARIOが私のリストにどこに出てくるかというと、こんな感じだ。
山田 大輔 105
木村 祐 100
奥野 隆 89
中西 勇介 86
会所 幹也 85
Andres CAMPANARIO 65
Laura HUSBANDS 60
宇田 奈津実 48
なんと、下から数えたほうが早いところに位置している。ちなみにこれ以外の人はみな棄権した。
私が彼の演奏に低い点をつけた理由はただひとつ。ひたすら独創的な、ある意味「変な」音楽だったからだ。でも彼が通ったということはこういうことなのだろうか。
少なくとも2次予選においては、中途半端に正当な音楽を示すよりは、異端でも、途中で拍をずらそうが、突然速くなろうが、際限なく1小節単位でくどいリタルダンドをしようが、自分の信じる美意識を全面に押し出すだけ押し出したほうがいいのだろうか。
また、音色という要素が、少なくともこのコンクールにおいては結構重要に取られているのではないかとも思い始めている。まあ、確かにそれは、ギター音楽にとっての重要な一要素だ。その音色が優れていると、多少音楽やテクニックに難があっても、それをカバーして上に評価される気がした。
各奏者の詳しい内容は近々現代ギター誌にて。
第29回スペインギター音楽コンクール ― 2011/10/10 20:13
二次予選の課題曲は、タレガの《アラールの華麗なる練習曲》。数年前クラシカルギターコンクールの課題曲となったときと比べると、全体の技術が上がっていることを感じた。この小難しい一曲だけの課題曲を、大きなミス無しに弾き切るのはもちろんのこと、それなりに表情もないと、もはや本選に行けないようだ。
二次予選を聞いて、自分的に点数をつけた中から上位15人を選ぶとこんな感じ。
秋田勇魚
藤原盛企
門馬由哉
原秀和
中峰絵理果
藤澤みずき
五十嵐紅
伊藤亘希
谷川英勢
長祐樹
斎藤里枝
奥野隆
片根柚子
三次浩之
田中春彦
この中から本選に通ったのは最初の5人。そして6人目はなぜか、このリストにはいない、私は22番手でつけた森湧平だった。
ここで森を本選に通したのはまさにスペインギターコンクールらしいと言えよう。彼の演奏は、まず張り裂けそうなほどのフォルテでドカドカと始まり、ギターのまともな音を出すことはできないのではないかと思えるほど、つぶれ気味の音がずっと続いた。しかし同じフレーズがまた出てきたときには音量を落とし、まともな音も出せることを示してきた。その後も汚い音と普通の音が代るがわる出てきて、変に間を空けたり、一般的なクラシックの演奏から考えると非常に異端といえる演奏。なので私は彼を低く評価したのだが、誰よりも何かを強く表現しようとしていたのは確かだ。そしてそういった姿勢が評価されるのが、スペインギターコンクールの特徴なのかもしれない。
彼の演奏を聞いていてふと、クラシカルギターコンクールの際の笹久保伸の演奏を思い出した。笹久保が今回のコンクールを受けたら、あのときと同様な演奏をしても本選に残ったのかもしれない。逆に言えば、森が今回と同じ演奏をクラシカルギターコンクールでしたら、きっと本選には残れないだろう。それだけこの2つのコンクールは性格が違うと思う。
それはさておき、本選の感想に移ろう。
本選の最初は中峰絵理果。昔のようにガンガンと弾くのではなく、柔らかさが出てきているように思う。課題曲の、ソルの《マルボローの主題による変奏曲》では、ど忘れでちょっと大きなミスをしてしまったが、おおむね当たり障りなく進行していった。ただ、かなりあっさりした表現の中で、終始をやたらともったいつけて和音をずらしたりritをしたりするのは、説得力のないちぐはぐな音楽をやっている印象を与えていたのではないだろうか。
自由曲の《アルボラーダ》では、音楽とは関係のない、技術的な間が目立っていた。《ファンダンゴ》でも今ひとつ振るわず、若干焦り気味で一所懸命弾いている感じを受けた。
藤原盛企の課題曲は、最初は良い感じだったが、若干技術的に不安定な部分が見えたり、左手の雑音も少し気になる演奏だった。自由曲、トロバの《ソナチネ》は、バリバリと見事に弾いていたものの、この曲が要求する「粋」でおしゃれな感じが出ていなかったように思う。
秋田勇魚の課題曲は非常に良かった。全体に清楚な、決してやり過ぎない感じの表現。第三変奏ではとてもよいアーティキュレーションを見せていた。彼には他の出場者たちと決定的に違う所がある。それは「間」だ。彼の間のとり方は非常に自然で心地よく、まだ若いのに大人びた演奏に聞こえる。自由曲の《内なる想い》は、多少ほころびはあったものの、なかなかしっかりした演奏だった。
森湧平は予選の演奏から予測したとおり、とても独特の演奏だった。ルバートや極端な強弱などを多用し、これはもはや古典音楽ではなくロマン派の音楽と言えるくらい、終始自由に表現していた。自由曲《コンポステラ組曲》は今までに聞いたことのないほどガンガンと、プレビュードですらとにかく差し迫ってくる感じで、きめ細やかさとは無縁の演奏だった。
原秀和の課題曲は、何の工夫も見られなかったといっても過言ではないだろう。どういった音をレガートにして、どういった音をノンレガートにすると古典らしくなるか、和声をどう弾くと古典らしくなるのか、もっといろいろ考えて欲しいものだ。自由曲の《祈りと踊り》はもともと本人が消化しきれていないだろうと思われる演奏。また、随所にメカの不安も見えていた。
門馬由哉の課題曲はなかなかよかった。随所でとても古典らしいアーティキュレーションを見せ、いろいろな工夫もある。私としては非常に好きな演奏だった。《ファンダンゴ》《スケルツォ・ワルツ》では、少し音楽的に違和感を感じるところがあったり、仕上げが甘いと感じる所があったりはしたが、なかなかの好演だったと思う。
さて、全員を聞いてから私が出した順位はこれ。
門馬由哉
秋田勇魚
中峰絵理果
森湧平
藤原盛企
原秀和
しかし実際の順位はこちら。
秋田勇魚
門馬由哉
森湧平
藤原盛企
中峰絵理果
原秀和
秋田と門馬はかなりタイプが違い、お互いに相手にないものを持っている。この二人のどちらが一位をとっても納得だ。審査講評によると、私が気に入った、課題曲の創意工夫が、逆に審査員にはやりすぎだと嫌われたようだ。
中峰、森、藤原の順位が入れ違ったのも、まあ、そう言われてみればそれでもよいかという気がする。自分がつけていた点数で、この3人はほとんど点差がなかった。
ちなみに来年の本選課題曲は《アルハンブラの思い出》だそうで。再びクラシカルギターコンクールでとりあげられたばかりの課題曲。これは意識的に真似しているのだろうか。
二次予選を聞いて、自分的に点数をつけた中から上位15人を選ぶとこんな感じ。
秋田勇魚
藤原盛企
門馬由哉
原秀和
中峰絵理果
藤澤みずき
五十嵐紅
伊藤亘希
谷川英勢
長祐樹
斎藤里枝
奥野隆
片根柚子
三次浩之
田中春彦
この中から本選に通ったのは最初の5人。そして6人目はなぜか、このリストにはいない、私は22番手でつけた森湧平だった。
ここで森を本選に通したのはまさにスペインギターコンクールらしいと言えよう。彼の演奏は、まず張り裂けそうなほどのフォルテでドカドカと始まり、ギターのまともな音を出すことはできないのではないかと思えるほど、つぶれ気味の音がずっと続いた。しかし同じフレーズがまた出てきたときには音量を落とし、まともな音も出せることを示してきた。その後も汚い音と普通の音が代るがわる出てきて、変に間を空けたり、一般的なクラシックの演奏から考えると非常に異端といえる演奏。なので私は彼を低く評価したのだが、誰よりも何かを強く表現しようとしていたのは確かだ。そしてそういった姿勢が評価されるのが、スペインギターコンクールの特徴なのかもしれない。
彼の演奏を聞いていてふと、クラシカルギターコンクールの際の笹久保伸の演奏を思い出した。笹久保が今回のコンクールを受けたら、あのときと同様な演奏をしても本選に残ったのかもしれない。逆に言えば、森が今回と同じ演奏をクラシカルギターコンクールでしたら、きっと本選には残れないだろう。それだけこの2つのコンクールは性格が違うと思う。
それはさておき、本選の感想に移ろう。
本選の最初は中峰絵理果。昔のようにガンガンと弾くのではなく、柔らかさが出てきているように思う。課題曲の、ソルの《マルボローの主題による変奏曲》では、ど忘れでちょっと大きなミスをしてしまったが、おおむね当たり障りなく進行していった。ただ、かなりあっさりした表現の中で、終始をやたらともったいつけて和音をずらしたりritをしたりするのは、説得力のないちぐはぐな音楽をやっている印象を与えていたのではないだろうか。
自由曲の《アルボラーダ》では、音楽とは関係のない、技術的な間が目立っていた。《ファンダンゴ》でも今ひとつ振るわず、若干焦り気味で一所懸命弾いている感じを受けた。
藤原盛企の課題曲は、最初は良い感じだったが、若干技術的に不安定な部分が見えたり、左手の雑音も少し気になる演奏だった。自由曲、トロバの《ソナチネ》は、バリバリと見事に弾いていたものの、この曲が要求する「粋」でおしゃれな感じが出ていなかったように思う。
秋田勇魚の課題曲は非常に良かった。全体に清楚な、決してやり過ぎない感じの表現。第三変奏ではとてもよいアーティキュレーションを見せていた。彼には他の出場者たちと決定的に違う所がある。それは「間」だ。彼の間のとり方は非常に自然で心地よく、まだ若いのに大人びた演奏に聞こえる。自由曲の《内なる想い》は、多少ほころびはあったものの、なかなかしっかりした演奏だった。
森湧平は予選の演奏から予測したとおり、とても独特の演奏だった。ルバートや極端な強弱などを多用し、これはもはや古典音楽ではなくロマン派の音楽と言えるくらい、終始自由に表現していた。自由曲《コンポステラ組曲》は今までに聞いたことのないほどガンガンと、プレビュードですらとにかく差し迫ってくる感じで、きめ細やかさとは無縁の演奏だった。
原秀和の課題曲は、何の工夫も見られなかったといっても過言ではないだろう。どういった音をレガートにして、どういった音をノンレガートにすると古典らしくなるか、和声をどう弾くと古典らしくなるのか、もっといろいろ考えて欲しいものだ。自由曲の《祈りと踊り》はもともと本人が消化しきれていないだろうと思われる演奏。また、随所にメカの不安も見えていた。
門馬由哉の課題曲はなかなかよかった。随所でとても古典らしいアーティキュレーションを見せ、いろいろな工夫もある。私としては非常に好きな演奏だった。《ファンダンゴ》《スケルツォ・ワルツ》では、少し音楽的に違和感を感じるところがあったり、仕上げが甘いと感じる所があったりはしたが、なかなかの好演だったと思う。
さて、全員を聞いてから私が出した順位はこれ。
門馬由哉
秋田勇魚
中峰絵理果
森湧平
藤原盛企
原秀和
しかし実際の順位はこちら。
秋田勇魚
門馬由哉
森湧平
藤原盛企
中峰絵理果
原秀和
秋田と門馬はかなりタイプが違い、お互いに相手にないものを持っている。この二人のどちらが一位をとっても納得だ。審査講評によると、私が気に入った、課題曲の創意工夫が、逆に審査員にはやりすぎだと嫌われたようだ。
中峰、森、藤原の順位が入れ違ったのも、まあ、そう言われてみればそれでもよいかという気がする。自分がつけていた点数で、この3人はほとんど点差がなかった。
ちなみに来年の本選課題曲は《アルハンブラの思い出》だそうで。再びクラシカルギターコンクールでとりあげられたばかりの課題曲。これは意識的に真似しているのだろうか。
GLC第36回学生ギターコンクール雑感 ― 2011/08/23 10:34
今年は本選の審査を初めてやったので、その感想など書いてみます。ただ、誰が何の自由曲を弾いたかと言うデータがないので(審査結果の紙はもう手元にないので)、正直あまり思い出せないところがあります…
順位はこちらをご覧ください。
http://www.glc-guitar.com/competition/performers/2011.html
小学生低学年でとても印象に残ったのは、ヘンツェの《ノクターン》を弾いた子でした。音楽としてはかなりの仕上がり。おもわず一位を上げたくなったほどでしたが、やはり他の子と比べると極端に易しい曲を弾いているので、それはできませんでした。ただ、他の子はこういった易しい曲をちゃんと音楽的に弾けるのか、そういった練習をちゃんとしているのか、と、そんなことを思いました。赤井香琳が弾いたイルマルの《シンプリシタス》は、それなりに良くできていて私も一位を付けました。しかし他の、難しい曲に挑んで表現出来ないでいた子たちよりは、私はこの《ノクターン》を弾いた子を上に見て、彼女に二位につけました。
高学年の中田真翠は圧巻でした。文句なく一位です。でもちょっと残念だったのは、《森に夢見る》の一番の見せ所とも言えるスケールのところでミスっていたこと。こういうところでミスると、ここ一番というときに弱いのかな、とか(私は)思ってしまいます。もう一人印象に残っているのが、バッハの無伴奏チェロ組曲第5番《プレリュード》を弾いた子。技術的には見事なものがありましたが、バッハの音楽という観点から見ると、正直かなりぼろぼろでした。小学校高学年でこのような曲に挑む場合には、教える側の音楽的な手助けがかなり必要なのではないでしょうか。せっかくあれだけ指が動くのだから、音楽的にもそれに見合うものを身に付けて行って欲しいものです。
中学生で私が非常に感動したのは、二位になった山本大河です。彼が弾いたドメニコーニの《トッカータ・イン・ブルー》は、今まで聴いた日本人の演奏の中では一番気に入りました。もっと他の曲も聴いてみたいと思ったし、私は彼を一位につけました。もちろん一位になった金田栞奈も見事な演奏でした。もう少しだけ喜び、悲しみの表現が深ければ、私も一位を付けたでしょう。今年はこの中学生部門が、一番レベルが高かったと思います。
高校生では井本響太を高く評価する人が多く、彼が一位になりました。ちなみに私がつけたのは三位。私が彼の演奏に関して非常に気になったのは、出す音質をあまり気にしていないことです。まるで鉄弦のアコギでも弾いているような感じで、クラシックギターという楽器を手に取って弾いている意味をあまり感じない演奏でした。二位になった木村眞一朗は文句のつけにくい演奏で、私も二位をつけています。そして私が一位を付けたのは菅沼聖隆でした。
大学生で一位になった飯野なみは、私も一位をつけています。というか、大学生の順位は、私がつけたのとすべて同じでした。四位の西村拓也、五位の美山華鈴は、音楽性で言えば二位の富岡淳、三位の伊藤亘希よりも成熟したものを持っているように感じます。ただメカニズムの安定度は、二位、三位の彼らの方が圧倒的に上でした。
順位はこちらをご覧ください。
http://www.glc-guitar.com/competition/performers/2011.html
小学生低学年でとても印象に残ったのは、ヘンツェの《ノクターン》を弾いた子でした。音楽としてはかなりの仕上がり。おもわず一位を上げたくなったほどでしたが、やはり他の子と比べると極端に易しい曲を弾いているので、それはできませんでした。ただ、他の子はこういった易しい曲をちゃんと音楽的に弾けるのか、そういった練習をちゃんとしているのか、と、そんなことを思いました。赤井香琳が弾いたイルマルの《シンプリシタス》は、それなりに良くできていて私も一位を付けました。しかし他の、難しい曲に挑んで表現出来ないでいた子たちよりは、私はこの《ノクターン》を弾いた子を上に見て、彼女に二位につけました。
高学年の中田真翠は圧巻でした。文句なく一位です。でもちょっと残念だったのは、《森に夢見る》の一番の見せ所とも言えるスケールのところでミスっていたこと。こういうところでミスると、ここ一番というときに弱いのかな、とか(私は)思ってしまいます。もう一人印象に残っているのが、バッハの無伴奏チェロ組曲第5番《プレリュード》を弾いた子。技術的には見事なものがありましたが、バッハの音楽という観点から見ると、正直かなりぼろぼろでした。小学校高学年でこのような曲に挑む場合には、教える側の音楽的な手助けがかなり必要なのではないでしょうか。せっかくあれだけ指が動くのだから、音楽的にもそれに見合うものを身に付けて行って欲しいものです。
中学生で私が非常に感動したのは、二位になった山本大河です。彼が弾いたドメニコーニの《トッカータ・イン・ブルー》は、今まで聴いた日本人の演奏の中では一番気に入りました。もっと他の曲も聴いてみたいと思ったし、私は彼を一位につけました。もちろん一位になった金田栞奈も見事な演奏でした。もう少しだけ喜び、悲しみの表現が深ければ、私も一位を付けたでしょう。今年はこの中学生部門が、一番レベルが高かったと思います。
高校生では井本響太を高く評価する人が多く、彼が一位になりました。ちなみに私がつけたのは三位。私が彼の演奏に関して非常に気になったのは、出す音質をあまり気にしていないことです。まるで鉄弦のアコギでも弾いているような感じで、クラシックギターという楽器を手に取って弾いている意味をあまり感じない演奏でした。二位になった木村眞一朗は文句のつけにくい演奏で、私も二位をつけています。そして私が一位を付けたのは菅沼聖隆でした。
大学生で一位になった飯野なみは、私も一位をつけています。というか、大学生の順位は、私がつけたのとすべて同じでした。四位の西村拓也、五位の美山華鈴は、音楽性で言えば二位の富岡淳、三位の伊藤亘希よりも成熟したものを持っているように感じます。ただメカニズムの安定度は、二位、三位の彼らの方が圧倒的に上でした。
重奏コンクールで考えたこと ― 2011/07/02 01:59
コンクールを聴いていると、自然と自分なりの順位を付けてみたくなる。最初の頃はそれと実際の審査結果が違うと「えー、なんで〜」と思うだけだった。
いつ頃からか、それが食い違った場合、では審査員はどう言う点をより高く評価したのかを考えるようになった。自分が取るに足らないと思っている点を重く考えて評価していたら、当然順位が結構変わってくる。これが審査員レベルの順位付けだと、一部にどう考えてもこの順位はあり得ないと思う人は、過去にいた。言うなれば「この人は明らかに音楽、そして技術以外のわけの分からないポイントで評価している」と感じた人もいる。そのポイントが髪型なのか、ステージの歩き方なのか、使用楽器の木目なのか、それは本人にしか分からないが、これがコンクールとしての評価になるとそこには、自分の感覚とは違っても、それなりに納得のいくポイントがある。
ただ今回は改めて、その基準の難しさを感じてしまった。今回の重奏コンクールは最初、単に客としてリラックスして聞こうと思っていた。ところが、私はそれがもうできない人になってしまったのか、やはりどうしても点数を付けてみたくなる。そんな感じで付けた点数を順に並べてみるとこうなる。
Passione 67点(100点満点中)
Twinkle 62点
星の王子様 60点
Axis Duo 59点
高崎経済大学 50点
Petit Pino 45点
三上恵子・鈴木亜梨沙 採点不可
そして実際の順位は
Axis Duo
Twinkle
Passione
ここでまず思うのは、アンサンブルをきっちり合わせているかどうかというポイントを考えるとき、人数を考慮に入れるかどうかということ。アンサンブルは大人数でやればやるほど(指揮者がいない場合は)合わせるのが難しい。PassioneとTwinkleは両方とも5人。それに対して星の王子様とAxis Duoは2人。5人がぴったり合っているのと、2人がぴったり合っているのとで、5人の方が難易度が高いという理由で上に見るべきだろうか。それとも、ぴったり合って、それからが音楽なのだから、何人で合わせようと、ぴったり合ったところが出発点という見方もできる。
さらに今回は、選曲も大きかった。何せ短い自由曲だけのコンクールなので、曲の難易度が結果に大きく関わってくる。
星の王子様が選んでいた組曲「怒りの日」は、今回初めて聞いたが、とても表現しがいのある曲だった。このように曲自体がかなりの表現を要求している場合、結構表現しているつもりでもなかなか曲にならない。一方Axis Duoは、それほどの表現は要求されない曲を弾いていた。つまり、なんとなく弾いてもしっかりとした曲に聞こえるというものを選んでいたとも言える。
これはまるで、200点満点の難しいテストに果敢に挑んで、120点しか取れなかった人と、普通に100点満点のテストに挑んで90点を取った人と、どちらを上に見るかという感じだ。私は200点満点に挑んだ方をかろうじて上に評価し、安易に100点満点に挑んだ方は出来が良くても下に評価した。でも普通に考えたら、要求に対する満足度が上ということで、100点満点中90点が上なのだろう。
こういうことに加えて、Passioneの選曲が昨年と同じであり、昨年に比べれば確かに進化しているものの、1年あったらもっと行かないか?と考えたら、Passioneの評価が落ちてくるのも理解できる。
なんだかんだと書いて来たが、大切なポイントは何が平等な審査と言えるのかということだ。背の高い人と低い人に平等にベッドを与える場合、同じサイズのベッドを与えて、背の高い人はベッドの上に収まりきれなくなるのが平等なのか。もしくは背の高い人には長いベッド、背の低い人には短いベッドを与えるのが平等なのか。
その答えを出すのは無理なのかもしれない。そのどちらを選ぶか、それがまたコンクールごとの審査の特徴となるのだろう。
ちなみにこの重奏コンクールには、もっと別の大事なポイントがあるのが、昨年・今年と見て明らかに分かる。楽しみにあふれた演奏が基本的に上に評価され、神経質な演奏はどちらかというと嫌われるようだ。もちろんこれは、しっかりしたテクニックがあって、ちゃんと音楽が流れていて、さらに求めるポイントがあるとすればこれ、といった感じなのだが。
さて、どうまとめよう。別にまとめなくてもいい文章ではあるが、最後にこう書いておこう。国内コンクールで一位になるには、2つ有効な方法がある。
1. 世界レベルと言えるほどうまくなる
そこまではとても行けないという人は
2. そのコンクールの審査員が喜ぶ演奏をする
注意として、ある一定レベルまで行っていない人はどんなに頑張っても一位になれないのが普通。一定レベルに達したら、2の方法を使えばより早く一位になれるのだろうということ。でもそれ以上のレベルに行ってしまえば、もうどんな演奏をしても一位になるのかもしれない。
ということで皆さん、審査員の好みや考え方によって左右されるレベルではなく、もっとずっと上まで行っちゃってください!
いつ頃からか、それが食い違った場合、では審査員はどう言う点をより高く評価したのかを考えるようになった。自分が取るに足らないと思っている点を重く考えて評価していたら、当然順位が結構変わってくる。これが審査員レベルの順位付けだと、一部にどう考えてもこの順位はあり得ないと思う人は、過去にいた。言うなれば「この人は明らかに音楽、そして技術以外のわけの分からないポイントで評価している」と感じた人もいる。そのポイントが髪型なのか、ステージの歩き方なのか、使用楽器の木目なのか、それは本人にしか分からないが、これがコンクールとしての評価になるとそこには、自分の感覚とは違っても、それなりに納得のいくポイントがある。
ただ今回は改めて、その基準の難しさを感じてしまった。今回の重奏コンクールは最初、単に客としてリラックスして聞こうと思っていた。ところが、私はそれがもうできない人になってしまったのか、やはりどうしても点数を付けてみたくなる。そんな感じで付けた点数を順に並べてみるとこうなる。
Passione 67点(100点満点中)
Twinkle 62点
星の王子様 60点
Axis Duo 59点
高崎経済大学 50点
Petit Pino 45点
三上恵子・鈴木亜梨沙 採点不可
そして実際の順位は
Axis Duo
Twinkle
Passione
ここでまず思うのは、アンサンブルをきっちり合わせているかどうかというポイントを考えるとき、人数を考慮に入れるかどうかということ。アンサンブルは大人数でやればやるほど(指揮者がいない場合は)合わせるのが難しい。PassioneとTwinkleは両方とも5人。それに対して星の王子様とAxis Duoは2人。5人がぴったり合っているのと、2人がぴったり合っているのとで、5人の方が難易度が高いという理由で上に見るべきだろうか。それとも、ぴったり合って、それからが音楽なのだから、何人で合わせようと、ぴったり合ったところが出発点という見方もできる。
さらに今回は、選曲も大きかった。何せ短い自由曲だけのコンクールなので、曲の難易度が結果に大きく関わってくる。
星の王子様が選んでいた組曲「怒りの日」は、今回初めて聞いたが、とても表現しがいのある曲だった。このように曲自体がかなりの表現を要求している場合、結構表現しているつもりでもなかなか曲にならない。一方Axis Duoは、それほどの表現は要求されない曲を弾いていた。つまり、なんとなく弾いてもしっかりとした曲に聞こえるというものを選んでいたとも言える。
これはまるで、200点満点の難しいテストに果敢に挑んで、120点しか取れなかった人と、普通に100点満点のテストに挑んで90点を取った人と、どちらを上に見るかという感じだ。私は200点満点に挑んだ方をかろうじて上に評価し、安易に100点満点に挑んだ方は出来が良くても下に評価した。でも普通に考えたら、要求に対する満足度が上ということで、100点満点中90点が上なのだろう。
こういうことに加えて、Passioneの選曲が昨年と同じであり、昨年に比べれば確かに進化しているものの、1年あったらもっと行かないか?と考えたら、Passioneの評価が落ちてくるのも理解できる。
なんだかんだと書いて来たが、大切なポイントは何が平等な審査と言えるのかということだ。背の高い人と低い人に平等にベッドを与える場合、同じサイズのベッドを与えて、背の高い人はベッドの上に収まりきれなくなるのが平等なのか。もしくは背の高い人には長いベッド、背の低い人には短いベッドを与えるのが平等なのか。
その答えを出すのは無理なのかもしれない。そのどちらを選ぶか、それがまたコンクールごとの審査の特徴となるのだろう。
ちなみにこの重奏コンクールには、もっと別の大事なポイントがあるのが、昨年・今年と見て明らかに分かる。楽しみにあふれた演奏が基本的に上に評価され、神経質な演奏はどちらかというと嫌われるようだ。もちろんこれは、しっかりしたテクニックがあって、ちゃんと音楽が流れていて、さらに求めるポイントがあるとすればこれ、といった感じなのだが。
さて、どうまとめよう。別にまとめなくてもいい文章ではあるが、最後にこう書いておこう。国内コンクールで一位になるには、2つ有効な方法がある。
1. 世界レベルと言えるほどうまくなる
そこまではとても行けないという人は
2. そのコンクールの審査員が喜ぶ演奏をする
注意として、ある一定レベルまで行っていない人はどんなに頑張っても一位になれないのが普通。一定レベルに達したら、2の方法を使えばより早く一位になれるのだろうということ。でもそれ以上のレベルに行ってしまえば、もうどんな演奏をしても一位になるのかもしれない。
ということで皆さん、審査員の好みや考え方によって左右されるレベルではなく、もっとずっと上まで行っちゃってください!
第2回J.S.バッハコンクール ― 2011/05/09 00:10
今日は第2回J.S.バッハコンクールに友人たちを応援しに行った。今回は特にブログに書くつもりはなかったのだが、色々思うことがあったので書くことにする。
このコンクールには惜しくも本選に進めなかった人が、本選用に練習した曲を弾ける場として準本選がある。そこに選ばれたのは長祐樹とアレクサンドル・ガラガノフ。今回の予選は4人聞き逃していて、長の予選での演奏がどうだったのかは分からない。しかしアレクサンドルは聞いてなかなか良かったと思っていたので、彼が本選に行けなかったのは意外だった。本選に残った中の少なくとも岩木俊宏と村上尚代の2人は、基礎テクニック、音楽のどちらを考えても確実に彼より劣っていたように思う。それがこうなった理由は、こういうことだろうか。
攻めてたくさん事故った人
攻めないで(彼の選んだ曲ブローウェルの《悲歌》は攻める曲ではないが…)きれいにまとめた人
この両者を比べた場合に前者を通すのが、このコンクールの特徴なのかもしれない。
それはさておき、Mu Huaicongという少年が、予選も本選も抜群にうまかった。東京国際に出ても2,3位にはなれそうな素晴らしい演奏だった。ところが本選の結果は
一位 中峰絵理果
二位 Mu Huaicong
三位 井谷光明
四位 笹久保伸
以下、本選賞
藤澤みずき
岩木俊宏
村上尚代
もちろん中峰の演奏も立派だったが、Muの演奏は次元というか、格が違った。その彼が二位になったことについてさすがに説明があったが、それは「曲を変えて弾いたから」というものだった。本来なら即失格だが、とても素晴らしい演奏だったため二位を上げたと言う説明だった。しかしその後に彼の付き添いに確認したところ、本選の曲はちゃんと提出した通りに弾いている。アナウンスされたのと同じ曲を確かに弾いていた。ただ、プログラムの二次予選曲を見ると、もう一曲弾くはずだったことになっている。それを弾かなかったからこうした順位になったのだろうか。いや、それならなぜ本選に通したのだろう。どうも釈然としないままホールを後にして来たが、とにかく彼の演奏は素晴らしかった。
中峰の演奏は久しぶりに聴いたが、以前の押しまくる演奏ではなく、少し引いた感じ、そして丁寧さが出て来ていた。ただ、ヒナステラの《ソナタ2,4楽章》には、もう少し以前のようなパワーがあっても良かったのでは。またタレガの《アルボラーダ》はちょっと直線過ぎて、もう少し工夫して欲しかったと思う。とは言え、Muを除けば、彼女が一番になってもそれは有りだろう。これからどうなっていくのか楽しみだ。
井谷は全体にこぎれいにまとめ過ぎたかもしれない。《祈りと踊り》の特に祈りの部分で、もっとアクが強く前に出ていたら、中峰より上に来たのだと思う。課題曲の最後を忘れて、数小節飛ばしたのも減点されたことだろう。
笹久保は我が道を行き過ぎた気がする。自由曲がカルレバーロの《南アメリカ風前奏曲3,5番》だったが、いつもの笹久保節が炸裂していた。課題曲のバッハも若干独特の解釈に感じた。
そういえば本選課題曲のBWV999を、中峰はカポタストを3フレットにつけて原調で弾いていた。しかしこれは、原調を守ったために原曲を損ねてしまった悪い例となってしまっていた。原調を守ることと原曲を守ることは全然違うことだというのを、いずれ時間のあるときにまとめて書きたいと思う。でも今は、それを指摘するだけにしておこう。
ちなみに藤澤もなかなかの演奏で、正直中峰から藤澤まではそれほど大きな差はなかったのではないかと思う。Muのみが明らかに飛び抜けていて、岩木と村上はちょっと力及ばずといった本選だった。
このコンクールには惜しくも本選に進めなかった人が、本選用に練習した曲を弾ける場として準本選がある。そこに選ばれたのは長祐樹とアレクサンドル・ガラガノフ。今回の予選は4人聞き逃していて、長の予選での演奏がどうだったのかは分からない。しかしアレクサンドルは聞いてなかなか良かったと思っていたので、彼が本選に行けなかったのは意外だった。本選に残った中の少なくとも岩木俊宏と村上尚代の2人は、基礎テクニック、音楽のどちらを考えても確実に彼より劣っていたように思う。それがこうなった理由は、こういうことだろうか。
攻めてたくさん事故った人
攻めないで(彼の選んだ曲ブローウェルの《悲歌》は攻める曲ではないが…)きれいにまとめた人
この両者を比べた場合に前者を通すのが、このコンクールの特徴なのかもしれない。
それはさておき、Mu Huaicongという少年が、予選も本選も抜群にうまかった。東京国際に出ても2,3位にはなれそうな素晴らしい演奏だった。ところが本選の結果は
一位 中峰絵理果
二位 Mu Huaicong
三位 井谷光明
四位 笹久保伸
以下、本選賞
藤澤みずき
岩木俊宏
村上尚代
もちろん中峰の演奏も立派だったが、Muの演奏は次元というか、格が違った。その彼が二位になったことについてさすがに説明があったが、それは「曲を変えて弾いたから」というものだった。本来なら即失格だが、とても素晴らしい演奏だったため二位を上げたと言う説明だった。しかしその後に彼の付き添いに確認したところ、本選の曲はちゃんと提出した通りに弾いている。アナウンスされたのと同じ曲を確かに弾いていた。ただ、プログラムの二次予選曲を見ると、もう一曲弾くはずだったことになっている。それを弾かなかったからこうした順位になったのだろうか。いや、それならなぜ本選に通したのだろう。どうも釈然としないままホールを後にして来たが、とにかく彼の演奏は素晴らしかった。
中峰の演奏は久しぶりに聴いたが、以前の押しまくる演奏ではなく、少し引いた感じ、そして丁寧さが出て来ていた。ただ、ヒナステラの《ソナタ2,4楽章》には、もう少し以前のようなパワーがあっても良かったのでは。またタレガの《アルボラーダ》はちょっと直線過ぎて、もう少し工夫して欲しかったと思う。とは言え、Muを除けば、彼女が一番になってもそれは有りだろう。これからどうなっていくのか楽しみだ。
井谷は全体にこぎれいにまとめ過ぎたかもしれない。《祈りと踊り》の特に祈りの部分で、もっとアクが強く前に出ていたら、中峰より上に来たのだと思う。課題曲の最後を忘れて、数小節飛ばしたのも減点されたことだろう。
笹久保は我が道を行き過ぎた気がする。自由曲がカルレバーロの《南アメリカ風前奏曲3,5番》だったが、いつもの笹久保節が炸裂していた。課題曲のバッハも若干独特の解釈に感じた。
そういえば本選課題曲のBWV999を、中峰はカポタストを3フレットにつけて原調で弾いていた。しかしこれは、原調を守ったために原曲を損ねてしまった悪い例となってしまっていた。原調を守ることと原曲を守ることは全然違うことだというのを、いずれ時間のあるときにまとめて書きたいと思う。でも今は、それを指摘するだけにしておこう。
ちなみに藤澤もなかなかの演奏で、正直中峰から藤澤まではそれほど大きな差はなかったのではないかと思う。Muのみが明らかに飛び抜けていて、岩木と村上はちょっと力及ばずといった本選だった。
第42回クラシカルギター・コンクール ― 2011/05/05 22:44
詳しいことはまた現代ギター誌上に書くので、ここではざっとした個人的な感想を。
予選を聞いて自分的によいと思った人15名の名前を、独自の点数とともに順に書いて行くとこうなります。
斉藤 泰士 75
飯田 楓子 70
飯野 なみ 70
井谷 光明 69
西村 拓也 69
門馬 由哉 68
林 祥太郎 67
荒井 一穂 66
佐々木 勇一 65
藤原 盛企 62
藤澤 みずき 60
石丸 陸 59
三次 浩之 59
西田 武史 58
金子 麻 57
ちなみに新井 康史、市川 亮平、岩下 光宏、木村 祐は棄権でした。ここから実際に本選に残ったのは次の7人。
斉藤 泰士
飯田 楓子
飯野 なみ
門馬 由哉
林 祥太郎
荒井 一穂
佐々木 勇一
井谷と西村がちょっと下に評価されたようです。とても古典的な表現だった斉藤、歌心たっぷりの飯田と飯野は、絶対に本選に残ると思っていました。でもそこから下が多少ひっくり返るのは有りかもしれません。そして、この7人を聞いて予想した順位はこれです。
林 祥太郎 65.5
斉藤 泰士 63
佐々木 勇一 60.5
荒井 一穂 56
飯野 なみ 55
門馬 由哉 53.5
飯田 楓子 46.25
しかし実際は
第一位 斉藤 泰士
第二位 荒井 一穂
第三位 佐々木 勇一
次点 林 祥太郎
第五位 門馬 由哉
第六位 飯野 なみ
第七位 飯田 楓子
林が予想外に下に来て、荒井が予想よりもとても上に評価されました。上位3人はかなり前に出る演奏。それに比べると林は、若干こじんまりとまとまり過ぎていたのが嫌われたのかも知れません。
今回は自由曲の選曲について結構考えさせられる面がありました。斉藤の「糸杉(コシュキン)」、佐々木の「祈りと踊り(ロドリーゴ)」などは、本人の良さをものすごく発揮できる好選曲だったと言えるでしょう。一方、林の「コンチェルティーノ(メルツ)」、飯野の「カプリス第24番(パガニーニ)」はあまり好選曲とは思えません。「コンチェルティーノ」は壮大で、最後は完全にイケイケドンドンといった曲。林の丁寧で繊細な曲のまとめ方とは合っていなかった感じ。「カプリス」はメカニックでどんどん押して行く曲である一方、飯野の一番の良さは歌心にあると思います。ちなみに荒井と「ソナタ(ブローウェル)」も合っているとは思えませんでした。彼はまだこういった、構成の緻密な曲をアナリーゼして弾く習慣を持っていないように感じたのです。ただ、そういった面は審査に響かなかったようですが…
予選を聞いて自分的によいと思った人15名の名前を、独自の点数とともに順に書いて行くとこうなります。
斉藤 泰士 75
飯田 楓子 70
飯野 なみ 70
井谷 光明 69
西村 拓也 69
門馬 由哉 68
林 祥太郎 67
荒井 一穂 66
佐々木 勇一 65
藤原 盛企 62
藤澤 みずき 60
石丸 陸 59
三次 浩之 59
西田 武史 58
金子 麻 57
ちなみに新井 康史、市川 亮平、岩下 光宏、木村 祐は棄権でした。ここから実際に本選に残ったのは次の7人。
斉藤 泰士
飯田 楓子
飯野 なみ
門馬 由哉
林 祥太郎
荒井 一穂
佐々木 勇一
井谷と西村がちょっと下に評価されたようです。とても古典的な表現だった斉藤、歌心たっぷりの飯田と飯野は、絶対に本選に残ると思っていました。でもそこから下が多少ひっくり返るのは有りかもしれません。そして、この7人を聞いて予想した順位はこれです。
林 祥太郎 65.5
斉藤 泰士 63
佐々木 勇一 60.5
荒井 一穂 56
飯野 なみ 55
門馬 由哉 53.5
飯田 楓子 46.25
しかし実際は
第一位 斉藤 泰士
第二位 荒井 一穂
第三位 佐々木 勇一
次点 林 祥太郎
第五位 門馬 由哉
第六位 飯野 なみ
第七位 飯田 楓子
林が予想外に下に来て、荒井が予想よりもとても上に評価されました。上位3人はかなり前に出る演奏。それに比べると林は、若干こじんまりとまとまり過ぎていたのが嫌われたのかも知れません。
今回は自由曲の選曲について結構考えさせられる面がありました。斉藤の「糸杉(コシュキン)」、佐々木の「祈りと踊り(ロドリーゴ)」などは、本人の良さをものすごく発揮できる好選曲だったと言えるでしょう。一方、林の「コンチェルティーノ(メルツ)」、飯野の「カプリス第24番(パガニーニ)」はあまり好選曲とは思えません。「コンチェルティーノ」は壮大で、最後は完全にイケイケドンドンといった曲。林の丁寧で繊細な曲のまとめ方とは合っていなかった感じ。「カプリス」はメカニックでどんどん押して行く曲である一方、飯野の一番の良さは歌心にあると思います。ちなみに荒井と「ソナタ(ブローウェル)」も合っているとは思えませんでした。彼はまだこういった、構成の緻密な曲をアナリーゼして弾く習慣を持っていないように感じたのです。ただ、そういった面は審査に響かなかったようですが…
第53回東京国際ギターコンクール本選の感想 ― 2010/12/01 00:27
今年の本選について、感想など書いてみようと思う。ちなみに二次予選に関しては、現代ギターに記事を書く予定。
まず全体に、ルネッサンス・バロックものについて、みな古楽らしくやろうとはしないのだと言うのを感じた。二次予選のときは結構バロックらしい表現の人もいた。しかし本選になってみると、なんだかみな古楽らしくない。でも、そういった演奏は別に望まれていないのかもしれない。演奏するのは現代の楽器だし…。
まあ、それは置いておいて、演奏順に感想を書いてみよう。
Nemanja Ostojic
ちょっと左手の押さえが甘いところが多かったが、かなり技術的にはしっかりした人。全体にそつのない表現で、手堅く弾いた感じ。でも、ゆっくりした部分、特にホセの第三楽章なんかは退屈で仕方がなかった。バッハのヴァイオリンソナタ一番のフーガも今ひとつ。あまりバロックらしくない。とはいえ、この人が一位でもいい位の水準ではあった。
小暮浩史
今までに聞いた彼の演奏の中では一番良かったかも。ただ、課題曲は色彩感に乏しかった。左手の移動時の雑音が全体に気になる。最後のスペインものではちょっと力尽きた感じで、いつもの天真爛漫さが見られなかった。というように、いろいろと文句のつけようはある。さらに、一番不満だったのは、似たような感じの曲(彼の表現に合った曲ばかり選んでいた気がする)を、似たような表現で続けられると、ちょっと途中から飽きが来てしまった感がある。まったく違う感じの曲も選んで、そういった曲も弾きこなせるというのを見せないと、上位入賞は難しいのかもしれないと思った。この時点で彼はわずかながらNemanjaより下に来ると思った。
Laszlo Szabo
この人のヴァイオリンソナタ三番のフーガは、通常この曲から期待できる速度よりもかなり遅めだった。最初はそういった速度も面白いと思って聞いていたが、だんだんと苦痛に。そういった速度にして、各声部をくっきりと出そうと言うわけでもない。むしろ、主題の出だしがよく聞こえないことが多い。この速度にすることによって感情豊かにしようというのでもない。ただ淡々と、ゆっくり時が流れる…。
私はこういうのはダメ! 後ほどロビーで何人かと話した際に、やはりダメだと言う人と、こういうのもよいという人がいたが、私はダメだ。その後の《序奏とカプリス》にしても、かなり控えめな表現で淡々と流れていく。言ってみれば、きれいなだけで退屈な演奏。私的には最下位をつけたい人だった。
Marco Del Greco
ヘンツェの《三つの小品》は、今ひとつ力及ばずと言う感じではあるが、かなり頑張っていた。次のBWV997の《サラバンド》は、「ああ、全然バロックらしく弾く気はないんだな」と、ちょっとがっかり。ただ、繰り返しでちょっと装飾を増やしたりして、バロックの曲であることは忘れていないようだったが。ただ、バッハをバッハらしく弾かなくても良い、と割り切ってしまえば、それなりに美的な演奏だったとは思う。ちょっとセゴビア系?
課題曲はよかった。私は彼の色彩感を評価したい。Nemanjaもそれなりに色彩感があったが、彼の場合にはダイナミクスが今ひとつだったように思う。メルツの《エレジー》は、あまり良くないけど、悪くはない。そして最後はリョベートの難曲。《ソルの主題による変奏曲》。いやー、見事に決めていましたね。とはいえ、各変奏の間で間を取りすぎ。何か、「今、ウルトラCを決めたので、ちょっと休ませてください」とばかりに、各変奏の間が長い。変奏曲としての全体の表現としては明らかに失敗だろう。とはいえ、これだけ見事に決めると、それなりの点数は稼いだと思う。この時点で、彼は総合的に考えるとNemanjaより上に来ると思った。
山田大輔
ジュリアーニの出だしは非常に良かった。これぞ古典と言う感じ。ただ、この曲に限らず、全体的にちょっとテクニックが不安定。ルーセルの《セゴビア》も、いまひとつ弾ききれていない。また、バッハの《シャコンヌ》を選んだと言うのもつらかったかも。このような超有名曲の場合、審査員それぞれに思い入れも深く、よほどの演奏をしないと良い評価は得られないだろう。まして、あのスラーとスケールが続くところでは、絶対にミスしては行けないと思う。彼の評価は残念ながら低くせざるを得なかった。
岡本拓也
若干小ぢんまりとし過ぎている感はあるものの、とても端正に整っていて、文句のつけにくい演奏。最後の《ハンガリー幻想曲》が来るまでは、彼が一位になる可能性が大きいと思っていた。でも、この曲の最後の部分に関しては、まだ彼には表現できないようだ。しかもそこらへんで大きなミスも出てしまった。以前よりも大胆な音が増えてきてはいる。しかしこの辺のお祭り騒ぎ的な楽想には、小暮のような演奏が似合う。この時点で彼がMarcoを越して一位に成れるのか、計算してみないとよくわからない状態になった。
そして独自採点を集計してみるとこのような結果に。今回はそれぞれの曲を100点満点で考えて、その平均を取っている。
Marco Del Greco 70.6
岡本拓也 69.75
Nemanja Ostojic 69.2
小暮浩史 68.43
山田大輔 66.75
Laszlo Szabo 64.75
そして実際の結果は
Marco Del Greco 256
岡本拓也 241
Laszlo Szabo 229.5
Nemanja Ostojic 228.5
小暮浩史 222
山田大輔 207.5
ん? 何かが違う。Laszloだけがやけに上に来ている。あのバッハは思ったほど評価が低くなかったようだ…。
とまあ、こんな感じの本選だった。
まず全体に、ルネッサンス・バロックものについて、みな古楽らしくやろうとはしないのだと言うのを感じた。二次予選のときは結構バロックらしい表現の人もいた。しかし本選になってみると、なんだかみな古楽らしくない。でも、そういった演奏は別に望まれていないのかもしれない。演奏するのは現代の楽器だし…。
まあ、それは置いておいて、演奏順に感想を書いてみよう。
Nemanja Ostojic
ちょっと左手の押さえが甘いところが多かったが、かなり技術的にはしっかりした人。全体にそつのない表現で、手堅く弾いた感じ。でも、ゆっくりした部分、特にホセの第三楽章なんかは退屈で仕方がなかった。バッハのヴァイオリンソナタ一番のフーガも今ひとつ。あまりバロックらしくない。とはいえ、この人が一位でもいい位の水準ではあった。
小暮浩史
今までに聞いた彼の演奏の中では一番良かったかも。ただ、課題曲は色彩感に乏しかった。左手の移動時の雑音が全体に気になる。最後のスペインものではちょっと力尽きた感じで、いつもの天真爛漫さが見られなかった。というように、いろいろと文句のつけようはある。さらに、一番不満だったのは、似たような感じの曲(彼の表現に合った曲ばかり選んでいた気がする)を、似たような表現で続けられると、ちょっと途中から飽きが来てしまった感がある。まったく違う感じの曲も選んで、そういった曲も弾きこなせるというのを見せないと、上位入賞は難しいのかもしれないと思った。この時点で彼はわずかながらNemanjaより下に来ると思った。
Laszlo Szabo
この人のヴァイオリンソナタ三番のフーガは、通常この曲から期待できる速度よりもかなり遅めだった。最初はそういった速度も面白いと思って聞いていたが、だんだんと苦痛に。そういった速度にして、各声部をくっきりと出そうと言うわけでもない。むしろ、主題の出だしがよく聞こえないことが多い。この速度にすることによって感情豊かにしようというのでもない。ただ淡々と、ゆっくり時が流れる…。
私はこういうのはダメ! 後ほどロビーで何人かと話した際に、やはりダメだと言う人と、こういうのもよいという人がいたが、私はダメだ。その後の《序奏とカプリス》にしても、かなり控えめな表現で淡々と流れていく。言ってみれば、きれいなだけで退屈な演奏。私的には最下位をつけたい人だった。
Marco Del Greco
ヘンツェの《三つの小品》は、今ひとつ力及ばずと言う感じではあるが、かなり頑張っていた。次のBWV997の《サラバンド》は、「ああ、全然バロックらしく弾く気はないんだな」と、ちょっとがっかり。ただ、繰り返しでちょっと装飾を増やしたりして、バロックの曲であることは忘れていないようだったが。ただ、バッハをバッハらしく弾かなくても良い、と割り切ってしまえば、それなりに美的な演奏だったとは思う。ちょっとセゴビア系?
課題曲はよかった。私は彼の色彩感を評価したい。Nemanjaもそれなりに色彩感があったが、彼の場合にはダイナミクスが今ひとつだったように思う。メルツの《エレジー》は、あまり良くないけど、悪くはない。そして最後はリョベートの難曲。《ソルの主題による変奏曲》。いやー、見事に決めていましたね。とはいえ、各変奏の間で間を取りすぎ。何か、「今、ウルトラCを決めたので、ちょっと休ませてください」とばかりに、各変奏の間が長い。変奏曲としての全体の表現としては明らかに失敗だろう。とはいえ、これだけ見事に決めると、それなりの点数は稼いだと思う。この時点で、彼は総合的に考えるとNemanjaより上に来ると思った。
山田大輔
ジュリアーニの出だしは非常に良かった。これぞ古典と言う感じ。ただ、この曲に限らず、全体的にちょっとテクニックが不安定。ルーセルの《セゴビア》も、いまひとつ弾ききれていない。また、バッハの《シャコンヌ》を選んだと言うのもつらかったかも。このような超有名曲の場合、審査員それぞれに思い入れも深く、よほどの演奏をしないと良い評価は得られないだろう。まして、あのスラーとスケールが続くところでは、絶対にミスしては行けないと思う。彼の評価は残念ながら低くせざるを得なかった。
岡本拓也
若干小ぢんまりとし過ぎている感はあるものの、とても端正に整っていて、文句のつけにくい演奏。最後の《ハンガリー幻想曲》が来るまでは、彼が一位になる可能性が大きいと思っていた。でも、この曲の最後の部分に関しては、まだ彼には表現できないようだ。しかもそこらへんで大きなミスも出てしまった。以前よりも大胆な音が増えてきてはいる。しかしこの辺のお祭り騒ぎ的な楽想には、小暮のような演奏が似合う。この時点で彼がMarcoを越して一位に成れるのか、計算してみないとよくわからない状態になった。
そして独自採点を集計してみるとこのような結果に。今回はそれぞれの曲を100点満点で考えて、その平均を取っている。
Marco Del Greco 70.6
岡本拓也 69.75
Nemanja Ostojic 69.2
小暮浩史 68.43
山田大輔 66.75
Laszlo Szabo 64.75
そして実際の結果は
Marco Del Greco 256
岡本拓也 241
Laszlo Szabo 229.5
Nemanja Ostojic 228.5
小暮浩史 222
山田大輔 207.5
ん? 何かが違う。Laszloだけがやけに上に来ている。あのバッハは思ったほど評価が低くなかったようだ…。
とまあ、こんな感じの本選だった。
最近のコメント