クロアチアのオーケストラ それとお金2005/09/17 05:42

昨日久々にオケを聞いた。チャイコフスキーの「悲愴」を初めて生で聴いたがとてもよかった。

先日ディクシャを受けた際にkazesanさんが「何かを聴くときはそれのみに集中してみよう」と言っていたので、それを思い出しながら目をつぶって集中して聴いていたら、目を開けたときとのギャップに悩むことになった。リズミカルな2,3楽章を目をつぶって聴いていると、のってきて自然に身体が動いてくる。でも目を開けると、じーっとへばりついたように座って聴いている皆さんが見えて「なんでこの音楽を聴きながらじっとしていられるんだー」とか思いながら、一気に興ざめしてしまうのだ・・・。

さて、派手な第3楽章が終わったと同時に拍手が始まり、自分もついつられて拍手をしてすぐ止めた。「あれっ。この曲を聴いたのは20年ぶりくらいだけど、こんな派手な終わり方ではなかったような」 そう、思いながら見たら、団員も指揮者も第4楽章を始めるため、拍手が鳴りやむのを待っていたのだ! 最後のアンコールの時に指揮者は日本の聴衆に感謝しながら、この「悲愴」という曲はとても活気のある第3楽章が終わってすぐ重苦しい第4楽章に切り替わるのが印象的だ、と言ったとき、「すぐ(suddenly)」の言葉に思わず笑ってしまった。

アンコールの最後に六本木男声合唱団というのが賛助出演して「U boi」という曲が歌われた。この曲は高校時代、合唱クラブで好きだった曲だが、今回初めて、これがクロアチアの曲であったことを知った。「ウ ボイ ウ ボイ マキストカ ブラチョ ナクユンツィ ナカトムレモニ」とかなんとか、まるで分からない言葉を呪文のように歌っていたが、これはなんとセルボ・クロアチア語だったのだ! うーん、奥が深い。

ところでこのオケ、実は友人ががんばってクロアチアから呼んだのだが、その後ある事情があって資金がなくなり、結局公演権は他の音楽事務所に売ってしまったものだ。本当にお金がなく自宅を引き上げ事務所に仮住まい、それから事務所も追い出されしばし私のうちに宿泊、そして公演権を売ることによってなんとか当座の生活費を獲得したのだ。

一方では、多大な借金を朝から晩まで働いて返しているうちに鬱病になり、アームカットを繰り返しぼろぼろになっている人もいる。そんな人たちがいる中で、馬鹿なお金の使い方をしている人を見るととても頭に来てしまう。最近、ホステスにお金を、湯水のようにどんどんつぎ込んでいるお客さんの話を聞いた。しかも、しばらく来られないからと言って、その間指名できない分のお金まで払おうとする! それはさすがに店側も受け取らなかったそうだが、そのお客さんに言ってやりたい。

「そんな金があったら困っている人に回せー!」