第38回クラシカルギターコンクール2007/05/07 01:13

今日クラシカルギターコンクールを聴きに行った。
2003年に初めて出てから2006年まで出続けたコンクールだけに、客として最初から最後まで聴くと言うのは、何となく感慨深いものがある。

今日は38人のエントリーのはずが、当日になって5人のキャンセルが出て33人になった。しかも外人は2人とも棄権。1人はかなりうまいと噂を聞いていたのに残念だ。

予選前半22人を聞き終わってめぼしい人はいなかった。魅力的なギターを弾く人は何人かいたが(酒井良祥、中子祐矢、野島史行ーーー敬称略)、皆ミスが多過ぎて本選に出られるとは思えなかった。

後半は非常に充実していて、たくさんのうまい人が出て来た。中でも次の5人は、他の出場者とは一線を画していたと思う。
井上仁一郎
大柴拓
鈴木洋平
林祥太郎
山田大輔

しかし井上だけは最後の方で誰でも分かるうっかりミスをしてしまい、本選に残ることができなかった。他の人たちとの差が十分あっただけに、個人的にはあれくらいのミスでも本選に採用して欲しかったが、そうはいかなかったようだ。
その他に本選に残ったのは下記の2人。
長縄広紀
三次浩之

自己採点では三次が若干離れて6番目、その下は長縄、野島、小倉佳紀の3人が団子状態だった。

本選の結果は下記のものだった。
1位:山田大輔
2位:林祥太郎
3位:三次浩之
4位:大柴 拓
5位:長縄広紀
6位:鈴木洋平

鈴木洋平は非常に多才な音を駆使し、音楽も豊かだったが、課題曲のアグアドのロンドでは、正確に弾こうとするあまりリズムが乱れてしまっていた。また、自由曲のトゥリーナのソナタでも、細かいところがみな不鮮明になっていた。

5位の長縄広紀は鈴木と僅差だったと思う。長縄は課題曲の細かいところがだいぶダメだったが、音楽だけはスムーズに流れていた。自由曲のノクターナルは、元気がよくて深みが全然足りないという感じだった。

大柴拓はスリル感溢れる速度で、精一杯の演奏を聞かせてくれた。しかしロンドではスケールの音が鳴っておらず、アクアレルも超難曲だけに、技術が追いついていない感じ。大変な曲に挑み過ぎたのと、音を大切にしないで引き飛ばしているというのが理由の4位だったと思う。

三次浩之は課題曲を端正な感じで無難にまとめていた。自由曲も無難にまとめ、正直言って面白くない演奏だったが、他の人より減点要素が少なかったという点で3位だったのだろう。

林祥太郎はなかなか元気のよい演奏。しかも節度のある元気さで、引き飛ばしたりはしていない。結構楽しめたが、今ひとつ技術の安定性が少なく、音楽の面白さにも欠けていたための2位という結果だろう。

山田大輔は、課題曲を一番まともに弾けていた。ただ自由曲がバッハのシャコンヌという超有名曲だけに、私を含めてその音楽解釈に納得の行かなかった人は結構いるかもしれない。とは言うものの、安定したテクニックで弾ききり、一番安心して聴けた人だ。1位は当然の結果だろう。

*****
結果を聞いた後はすぐ、吉祥寺で若手ギタリストたちとの打ち上げ。いろいろとここには書けない話が出て盛り上がった。二次会では、某ドレッドヘアのギター弾きとオサゲのギター弾きが隣の年配の夫人たちに気に入られ、全員で酒、つまみをふんだんにおごってもらってしまった。さすがイロものは強い!(笑)

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