バッハの無伴奏チェロ組曲第6番プレリュード2012/03/18 14:56

これがトラウマの曲であることは前に書きましたが、これ一曲がなかったらそれだけで、23日のコンサートは非常に楽です。実はこの曲を外そうと何度も思いました。一ヶ月ほど前はもう、この曲はやはり弾けませんと、ブログに書こうと準備した時もあります。理由は、人前でこれを弾こうとすると、どうにも右手が固まって、ぼろぼろに崩れそうになるからです。それでも思い直して、運指を工夫することによって弾きやすくしてきました。そしてやっと最近弾ける気になっていたのですが、昨日また人前で弾いたら、思いもかけないところで右手に力が入らなくなってしまいました。最後の方の速い部分などはむしろ楽なのですが、それ以外の、特に速くも遅くもないパッセージがずっと続くのが、なんとも右手に嫌なのです。

でもそれでまた右手の運指を変え、ついに禁断の変な運指を使うことにしました。右手の状態が悪かった頃、それでも弾かなければならない曲は、通常の人なら考えられないような変な指使いで弾いていました。それが、今回のコンサートは初めて、ごく普通の、正常な人たちが使う運指で弾くコンサートになる予定だったのです。でもバッハはダメです。トラウマから来る半端ないプレッシャーに打ち勝つため、当日に右手がどんなに変になっても弾けるように、変な運指を使います。そして、トラウマをなんとか克服したいと思います。