リパッティ 最後のリサイタル(ブザンゾン音楽祭)2015/01/03 00:37

数年前、ある女性がショパンを好きだが、とりわけこの一枚がすごくお気に入りだと言っていました。その後、実家に帰ったときにピアノ教師の姉がBGMにリパッティのCDをかけて、そのときこのリサイタルの話をしました。すると姉は、CDは持っていないけれど、母がこのリサイタルのレコードを持っていて、昔よくかけていたと教えてくれました。

思うに、私は何も分からない頃から、それなりの名演奏を聴かせられて育ったようです。それが今の辛口批評の原点となっているのかも。でも最近は、「どんな演奏にもドラマがあって面白い」とか思ってきましたけど。
このリサイタルのCDを、姉が最近プレゼントしてくれました。今日それを聴きましたが、確かに名演と言えば名演です。特に最近の私にとっては最高の名演かも。ショパンの遺作のワルツでは、ちょっと涙がこぼれてしまいました。

全体に速めのテンポの、一見弾き飛ばしているようで、それでも丁寧な演奏。いろいろな事情を知ると、まるで逝き急いでいるような演奏にも聞こえます。それはともかく、音だけでなく、それに付随する何かを訴えてくる演奏であることは間違いありません。

例年と違って、こんなCDをゆったりと聴く時間を持てる今年の正月は、至福の時です!